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~生活排水の環境及び生物への影響に関する実証実験プロジェクト~
無添加石けんのパイオニアであるシャボン玉石けん株式会社(福岡県北九州市/代表取締役社長: 森田 隼人)は、福岡県宗像市地島(じのしま)にて、2021年9月から3ヵ月間「未来の海を守る 島まるごと無添加石けん生活~生活排水の環境及び生物に対する影響に関する実証実験プロジェクト~」を実施し、生活排水が環境や生物へ及ぼす影響について、洗浄剤として「石けん」を使う前後でどのような変化があるのかを調査してきました。
その結果、石けんの使用に切り替えたことで、下水処理場内の微生物が豊かになることや水中の有機物(汚れ)を低減させること、生態系に影響を与える可能性がある物質の排出量が減ることなどが分かりました。また、住民アンケートの調査結果から、実験を通して環境問題に関心がある人が増えたことも分かりました。
当プロジェクトのような地域単位での実証実験は業界内でも珍しく、石けんが実際の環境中で環境・生物に対して好影響を与え、改善することを示唆する社会的意義の高い結果を得ることができました。今後も地域単位での石けんの普及の取り組みを一層強化し、環境保全ならびに持続可能な社会に貢献してまいります。
▲無添加石けんハミガキを使う地島小学校の子供たちの様子
▲左から、山口大学大学院・今井教授/宗像市・伊豆市長/シャボン玉石けん代表取締役社長・森田/九州環境管理協会・百島理事長
- プロジェクト概要
■プロジェクト内容
福岡県宗像市地島における一般家庭、地島小学校、漁村留学センター「なぎさの家」において、2021年9月から11月までの3ヵ月間、洗浄剤に石けんを使用していただきました。実証実験前後の水質や生物の分析を行い、生活排水による環境影響を調査しました。また、地島の小学校や住民を対象として、環境学習を実施、環境意識や石けんに対する意識について、アンケート調査を実施しました。
■プロジェクトメンバー
宗像市/一般財団法人九州環境管理協会/山口大学大学院創成科学研究科/シャボン玉石けん
■実証実験スケジュール
2021年9月1日~11月30日(3ヵ月間)
- 調査結果
■水質調査(汚れの指標)
下水処理場から海に放流される水を分析した結果、石けんを使用することで、処理後の水の汚れが少なくなることが分かりました。
■微生物の調査
下水処理場の曝気槽(水をきれいにする施設)にいる微生物を分析した結果、微生物の種類・量が増えていることが分かりました。また、汚泥状況が良好な場合に現れる菌が確認され、曝気槽の環境に良い影響を与えたと考えられます。
■住民の環境への関心に関する調査
住民に対するアンケート調査の結果、環境問題に対して「関心がある」と回答した方が、プロジェクト実施前の23%からプロジェクト実施後は42%と19%増加していることが分かりました。
漁業が主産業の地島において、海の環境は住民の生活に直結することもあり、もともと関心の高かった人たちの関心度がより高まったと考えられます。
Q)環境問題に関心はありますか。
プロジェクト実施前
プロジェクト実施後
アンケート回収数:
●プロジェクト実施前:37世帯 95名分
●プロジェクト実施後:34世帯 93名分
■ラボでの実験 わかめの幼芽の生育への影響
10倍希釈した合成洗剤、また石けんを添加したわかめの約2週間の生育の状況を観察したところ、2週間後、石けんを添加したわかめは何も添加していないブランクの状態とほとんど変わらない程度に生長しているのに対して、合成洗剤を添加したものはわかめの生長に影響を与えていることが分かりました。また、実際の環境下ではありえない条件ではありますが、同じようにわかめの幼芽に合成洗剤の原液をそのまま添加すると1日で白化してしまうようなことも分かりました。このように、石けんはわかめの生長にほとんど影響を与えないことも分かりました。
※ラボでの実験:洗浄剤の濃度は実際に海に流れる濃度よりも濃い濃度で実施
※実証実験の直接的な結果ではありません。
- 参考情報
以下、19商品を使用いただきました。
・シャボン玉浴用(固形石けん)
・手洗いせっけんバブルガード
・シャボン玉スノール(液体)
・シャボン玉スノール(粉石けん)
・シャボン玉台所用せっけん(液体)
・シャボン玉台所用せっけん固形タイプ
・シャボン玉食器洗い機専用
・ベビーソープ泡タイプ
・無添加せっけんシャンプー泡タイプ
・無添加せっけんシャンプー専用リンス
・無添加ボディソープたっぷり泡
・無添加フェイシャルソープ
・シャボン玉せっけんハミガキ
・シャボン玉こどもせっけんハミガキ
・粉の無添加石けん
・酸素系漂白剤
・重曹
・クエン酸
・せっけんクレンザー
- 福岡県宗像市地島(じのしま)について
地島は玄界灘と響灘の境界部に面する、周囲9.3km、人口約140人の小さな島。泊地区と豊岡地区の2つの集落があり、皇室献上のわかめをはじめとした、ウニ、アワビなどの磯漁業・釣漁業が盛んです。島内には約6,000本のヤブ椿が自生するなど自然が豊かな地域です。