日本のクラフト生産者と消費者を繋ぐ、ターミナルアプリ「ことみえ」
日本に約300万者に及ぶ小規模事業者(出典:中小企業庁)の広告を実施する資本力がないために起こる「情報格差」と「機会格差」を埋めるための社会課題解決を目的としたターミナルアプリ。「モノ」だけではなく、生産プロセスなどの「コト」を「見せる」サービスなので、生産自身が撮影した動画を基に誰でも手軽にコンテンツ化できます。
弊社BUSでは、広告やブランディングを展開するうえで大きな社会課題を感じていました。
それは、広告が新たな格差を生んでしまうことでした。
例えば、広告予算の少ない地方の小規模事業者は、広告を発信する資本力も人材も乏しく、日常的で地道な取り組みや独自の製造のこだわりなど、クラフトマンとして誇りを持っていても、その想いが末端の消費者まで届かず、選択されにくいなど、既存流通の仕組みの中で価格競争に埋没してしまっています。消費者がその社会課題を知る機会が少ないからです。
そこで、生産プロセスを「見える化」して消費者にダイレクトに伝えるアプリ事業を思いつきました。
新サービス「ことみえ」は「モノ」だけではなく、生産プロセスなどの「コト」を見せるターミナルアプリです。
(※ターミナルアプリとは人とモノと情報がデジタル上で行き来できる機会を産む場との意)
このアプリを活用することで、生産事業者が自分で撮影した動画や写真を自動的にストーリー化することよって、消費者に分かりやすい形でコンテンツとして公開できます。
コンテンツを視聴する消費者ユーザーは、アプリからそのコンテンツを視聴することで、モノづくりの「生産プロセス」のストーリーを見ることができ、気になった商品はサービス内でそのまま気軽に購入型クラウドファンディング方式で応援購入することができます。
この一連の仕組みを、日本の伝統的な産業を未来への応援購買で持続可能にするクラフトファンディング事業と位置付けています。
「ことみえ」によって市場が創造される、「モノ」だけではなく生産プロセスの見える化も含めた、「+コト消費」による新しい流通のカタチは、日本には元々ある三方よしの現代版として世界に向けて提案したいと考えています。
「ことみえ」は事業者、消費者ともに基本無料で利用できるサービスとして展開予定です。
(事業の収益は、事業者をサポートするオプションサービスや、クラウドファンディング方式による販売手数料などで行う計画です。)
現在の日本のECは、「モノ消費」に特化したサービスがほとんどです。「ことみえ」事業はこれら「モノ消費」に対して、ストーリー性のある動画によって「+コト」体験を加え、「モノ+コト消費」で事業者と消費者を「生産プロセスの見える化」でつなげる点に特徴があります。
「モノ消費」の観点のみで訴求する既存流通では、機能と価格訴求に偏り「品質や機能に対して価格が安い」という点が購入判断に結びついてしまいます。このため、「生産プロセス」には関心が向きにくいと言えます。一方、「ことみえ」を使えば「生産プロセス」そのものが明確化されるため、価値と価格のバランスの根拠を消費者が納得して購入につなげやすくなることが可能です。
さらに、既存流通では見えなかった原材料や素材の情報、生産工程についても日常的に見える化されるほか、エシカルな方法で生産された商品であることが確認できるため、「本当にエシカルかどうか?」の視点を、消費者に今後広く認識させることが可能だと考えています。
「ことみえ」は将来的に多言語対応により生産事業者の海外進出もサポートできるようなサービス展開を計画しています。日本特有の財産である「独自の(道)の精神」と「相手を想う(徳)の精神」を持った「日本の文化」は、「日本の日常風景」として「見える化」して、パッケージングして、海外に発信することで、多くの外国の方の心をつかむひとつの資源となりうるのではないかと考えています。
この考えは日本に元々ある、売り手よし、買い手よし、世間よしの三方よしに通じるものであり、日本が本来SDGs先進国であった論拠でもあります。この「日本の文化」を世界に発信し、空洞化しつつある日本の伝統的産業に未来への希望の光を当てて行きたいと考えています。