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<台湾事情>最新の市場調査結果を発表、ワイズリサーチ
ワイズコンサルティング グループ(本社:中華民国台北市、代表取締役:吉本康志)のワイズリサーチの調査によると、2021年台湾消費者のサステナビリティに配慮した消費行動で形成された市場規模は約2600億円、そのうち40%は20~30代の若者により形成されている。台湾ではサステナブルや倫理的消費への意識が広がっており、化粧品業界における企業も自社のブランドイメージを上げるために、サステナビリティに注力している。
- 台湾化粧品業界が注目している「サステナビリティ経営」
台湾は政治的理由で国連の加盟国ではないが、国連が掲げる持続可能な開発目標SDGs、温室効果ガス削減、汚染の予防と改善などサステナビリティに関する政策に呼応し、独自の取り組みを進めている。
台湾の20代に支持されるエコブランディング
2021年台湾消費者のサステナビリティに配慮した消費行動(リサイクル商品やCO2排出量の少ない商品の購入など)の消費金額は587億台湾ドル(約2,600億円)で、そのうち40%は20~30代の若者により形成されている。若者は環境への影響が少ない商品を購入する傾向があり、自分の価値観に沿ったブランドを選択する。また、環境の持続可能性の消費以外に、男女平等、包容、社会的影響を提唱する企業も若者に評価される。
サステナブルや倫理的消費への意識が広がっており、化粧品業界の企業も自社のブランドイメージを上げるために、サステナビリティに注力する企業が増加している。例えば、お茶の実(茶籽)を使ったソープ類用品のオーガニックブランド茶籽堂(cha tzu tang)や、乾燥コーヒーかすをPLAと混ぜ合わせ、100%生分解可能なボトルを作る欧萊德(O’right)などが挙げられる。ほかに、企業がよく行うサステナビリティ活動として、空き瓶のリサイクル、プラスチックの削減と自然由来・オーガニック成分の利用などが挙げられる。今後のトレンドとして、二酸化炭素排出量の削減が重要視されている。
台湾中小企業はB Corp企業認証に注力
2015年に国連サミットで「持続可能な開発目標(SDGs)」が採択されたことにより、サステナビリティの重要性が広まっており、世界中はサステナビリティを重視し始めてきた。なお、台湾の化粧品業界も現在「サステナビリティ経営」に注力し、企業価値の向上を目指している。台湾の中小企業は国際ブランドなどのOEMとODM生産をしているが、実力と品質があるのにグローバル上での知名度が低い。このような背景で、事業転換、およびグローバル市場に認知されるように、グローバル的なサステナビリティ認証の取得に注力する企業が増えている。
中でも、B Corp企業認証というサステナビリティ認証が特に重視されている。B Corp企業認証とは、アメリカの非営利団体「B Lab」によって始まって、環境や社会の持続可能性を考慮し社会への説明責任を引き受ける企業に与えられる認証のことで、台湾においてB Corp企業認証取得企業数はアジア全体において3割程度を占めて1位であり、現在35社がある(2022年12月時点)。
サステナビリティ経営のカギを握る台湾B CORP企業「GREENVINES緑藤生機」
緑藤生機(GREENVINES)は台湾スキンケアブランドであり、台湾では2番目にB Corp企業認証を取得した企業である。また、創業してから7年を経て、年間1億台湾元(約4億4,000万円)の売上げを達成した上、アジアで唯一5年連続B Corp企業の「Best for Environment」(ベスト環境賞)を受賞した企業である。同社は農業技術の活用により、人々の健康と環境への貢献ができる会社を作ると考え、2010年にGREENVINESを設立した。創業当初は「有機スプラウト」の栽培からはじまり、天然なスプラウトを育て販売し、2013年に世界初有機スプラウト成分を活用したパーソナルケア用品事業を開始した。
緑藤生機の魅力というと消費者と長く深い関係を築いていることである。消費者向けに、21Days of Greenなどのサステナビリティイベントを行い、毎年の3~4月に21日のグリーン行動を発表し、消費者のサステナビリティ意識を高める。仕組みとしては緑藤生機のLine公式アカウントから、一日1つのグリーン行動を登録者に知らせる。参加者は当該行動を行なったら、「完成+1」を押す。また、消費者のグリーン行動回数によって、1回につき10台湾元の献金を環境保護団体に寄付する。
また異業種の提携によって、自社と他社のブランド価値の向上につながるイベントを開催する。例えば、21Days of Greenのイベントで21社の企業と提携し、イベント参加者に生涯ギフトの抽選を行う。抽選に当たった場合は、企業から一生分のギフト券をもらえる。また、消費者からリサイクルした空き瓶を回収業者に渡し、回収と再生を行い、ガラス原材料として再利用する。さらに、緑藤生機は2020年に日本の「村上農園」と技術提携し、高栄養野菜ブランド「一寸鮮」を発売した。
緑藤生機は10年以上にわたり、スプラウトの栽培からスキンケア用品の製造までサステナビリティ意識を持って一貫して歩み続け、そして生鮮食品ブランド「一寸鮮」も確立している。これら一見相反の分野で業界を越えているが、3人の共同創設者は持続可能性の今後の傾向であると信じて、より持続可能な選択肢が生活の中で芽生えることを望んでいる。
- 台湾サステナビリティによる消費者と市場動向調査報告書
<調査概要>
・調査名:台湾サステナビリティによる消費者と市場動向調査報告書
・概要:台湾サステナビリティに関する市場動向、消費者意識、企業動向など台湾のサステナビリティ意識形成及び今後の発展を深く理解するための情報が満載
<レポート概要>
発刊時期:2022年10月
資料構成:2部構成
・第1部-台湾におけるサステナビリティ市場・政府・消費者動向
・第2部-台湾におけるサステナビリティに注力する企業動向
資料形態:電子版PDF、第1部:67ページ、第2部:38ページ
販売価格:
・第1部-台湾におけるサステナビリティ市場・政府・消費者動向:100,000台湾元(税別)
・第2部-台湾におけるサステナビリティに注力する企業動向:100,000台湾元(税別)
・第1部&第2部:180,000台湾元(税別)
*目次*
◆第1部◆ 台湾におけるサステナビリティ市場・政府・消費者動向
<市場動向>
– 台湾におけるサステナビリティ・Social good (共好)意識の形成
– 業界別(半導体、機械、化粧品など)のサステナビリティに関する現状と今後
<政府政策>
– 台湾におけるサステナビリティに関する政策
– 台湾におけるサステナビリティに関する今後の計画
<消費者意識>
– サステナビリティ商品に対する消費意識と市場規模
– サステナビリティ商品に対する好感度・購入意欲
– 台湾人の生活・飲食・購買におけるサステナビリティ意識
◆第2部◆ 台湾におけるサステナビリティに注力する企業動向
<サステナビリティに注力する企業紹介・動向>
・サステナビリティに関する台湾の主要アワードと国際認証制度
– 台湾の主要アワード:国家永続発展奨、TCSA台湾企業永続奨、 天下企業公民奨
– 国際認証制度:B Corp
・台湾のB Corp推進動向
– 台湾のB Corp企業数と推移
– B Corp企業リスト(計35社)
・台湾におけるサステナビリティ先進企業10社(企業、商品、サステナビリティ事例、提携事例)
<B Corp取得企業の取り組み体制・事例(5社)>
1.欧萊德 (O‘RIGHT):化粧品企業
2.緑藤生機 (Greenvines):化粧品企業
3.大愛感恩科技 (DA AI):環境系(再利用系)企業
4.社会設計平台 (5% Design Action):デザイン系コンサルサービス企業
5.好心地文創 (Howdy Creative):ビジュアルコミュニケーションデザイン企業
– 基本情報:会社名、ブランド名、資本金、設立年、従業員数、代表取締役、製品詳細など
– 事業情報:事業内容、企業動向、今後発展、サステナビリティに関する取り組みなど
●サンプルのダウンロードやお申し込み
https://www.ys-consulting.com.tw/research/salesreport/99.html
【会社概要】
会社名:ワイズコンサルティング グループ
所在地:中華民国台北市襄陽路9號8F
代表者:吉本康志
設立:1996年11月
URL:https://www.ys-consulting.com.tw/
事業内容:
・経営コンサルティング(人事労務・マーケティング・経営戦略・情報セキュリティ)
・人材トレーニング(階層別研修・職種別研修)
・日本語台湾経済ニュース配信
・市場調査・業界調査・顧客調査
・クラウドサービスの販売
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ワイズリサーチ(威志総研) 担当:段(ダン)
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