ビジネスケアラーの6人に1人が仕事との両立に悩み「離職を検討」。プレゼンティーズムとパフォーマンスが低下。精神的・身体的負担を上司に相談しているのはわずか1割

0
181
ビジネスケアラーの6人に1人が仕事との両立に悩み「離職を検討」。プレゼンティーズムとパフォーマンスが低下。精神的・身体的負担を上司に相談しているのはわずか1割のメイン画像

株式会社イノフィス調査 ~ビジネスケアラー 仕事と介護の両立編~

腰の負担を軽減するアシストスーツ「マッスルスーツEvery」等を製造・販売する株式会社イノフィス(東京都八王子市、代表取締役社長:乙川 直隆、以下「イノフィス」)は、働きながら介護をしているビジネスケアラーを対象に、「ビジネスケアラーの身体的負担」をテーマにした調査を実施しました。前編のプレスリリース「身体的負担編」では、ビジネスケアラーの腰痛や肩こりなどの身体負担の実態を紹介。ビジネスケアラーの63.4%が身体的負担を感じており、半数がイライラや不安感を抱えているなど、身体的・精神的負担の大きさが浮き彫りとなりました。
本プレスリリースでは、後編「仕事と介護の両立編」として、ビジネスケアラーの身体的負担や精神的負担が及ぼす仕事への影響や、会社・人事への要望をまとめてご報告します。

  • 調査結果概要

●身体的負担のあるビジネスケアラーの3割が「仕事量をセーブ」「仕事に集中できない」
「昇進や出世が不安」などプレゼンティーズムとパフォーマンスが低下
●身体的負担により「離職を検討」するビジネスケアラーが6人に1人
●ビジネスケアラーの8割が、仕事と介護の両立について会社や人事に不満・要望あり精神的・身体的負担について会社の上司に相談しているのは1割にとどまる

  • 身体的負担のあるビジネスケアラーのプレゼンティーズムとパフォーマンスが低下

 ビジネスケアラーとは、仕事をしながら介護も両立しているビジネスパーソンを指します。イノフィスが今回実施した調査では、ビジネスケアラーの腰痛や肩こりなどの身体的負担について注目。実態調査したところ、介護による身体的負担と精神的負担が、想像以上に深刻な状況であることが浮き彫りになりました。特に腰痛は、約8割の方が日常生活・仕事のどちらにも支障になると答えました。(詳しくは、株式会社イノフィス調査~ビジネスケアラーの身体的負担編~をご参照ください。)
 後編である今プレスリリースは「ビジネスケアラー 仕事と介護の両立編」として、ビジネスケアラーの身体的負担や精神的負担が及ぼす仕事への影響や、会社・人事への要望などをまとめました。

ビジネスケアラーの6人に1人が仕事との両立に悩み「離職を検討」。プレゼンティーズムとパフォーマンスが低下。精神的・身体的負担を上司に相談しているのはわずか1割のサブ画像1

 介護による身体的負担を感じているビジネスケアラーに、身体的負担が、仕事と介護の両立の支障となっているかどうかを尋ねました。具体的内容を聞いたところ、43.6%の方が「経済的不安がある」と回答しました。さらに、「身体がつらく、仕事に集中できない」、「思うように体が動かせず、仕事の質が低下した」と回答した方は共に23.7%にも及びました。
 このような“欠勤ではないため勤怠管理上は表に出てこないが、心身不調が理由で業務効率が低下している状態”は「プレゼンティーズム」と呼ばれ、企業にとって「可視化されづらい損失」として問題視されています。

  • 身体的負担により「離職を検討」するビジネスケアラーが6人に1人

 前述の質問で6人に1人(16.6%)の方が「身体への不安から、離職を検討している/検討したことがある」と答えました。

  • 環境や制度が整った会社があれば転職を検討55.5% 

ビジネスケアラーの6人に1人が仕事との両立に悩み「離職を検討」。プレゼンティーズムとパフォーマンスが低下。精神的・身体的負担を上司に相談しているのはわずか1割のサブ画像2

 今回のアンケート全対象者に「仕事と介護の両立ができる環境や制度の整った会社があれば、転職をしたいと思いますか?」と尋ねたところ「すぐにでも転職したいと思う」と「転職を検討する」を合計すると55.5%にのぼり、半数以上の方が検討するという結果となりました。
 実際に離職に至る、いわゆる介護離職は2017年で9万人とも言われ、2010年代以降増加傾向が続いています。そのような中、実際に離職となる前の段階で何か対策を講じる必要があることが示唆される結果となりました。
 2023年3月14日に経済産業省が公表したデータによれば、ビジネスケアラーの離職や労働生産性の低下に伴う経済損失額の試算は、ビジネスケアラーが最多となる2030年に約9.2兆円にのぼります。ビジネスケアラーのパフォーマンスやプレゼンティーズムの低下、離職の発生を予防するため、企業や人事は仕事と介護の両立しやすい環境整備に取り組む必要があります。

  • 介護の精神的・身体的負担について会社の上司に相談しているのは1割にとどまる

ビジネスケアラーの6人に1人が仕事との両立に悩み「離職を検討」。プレゼンティーズムとパフォーマンスが低下。精神的・身体的負担を上司に相談しているのはわずか1割のサブ画像3

 介護による身体的・精神的負担について誰かに相談したことがあるかを尋ねました。5割を超える方が家族に相談しており、友人、ケアマネジャーには3割程が相談すると答えました。一方、前述の質問では半数以上の方が仕事と介護の両立ができる環境や制度の整った会社があれば転職を検討すると回答しています。身体的・精神的負担について相談をしているのは会社の同僚へは16.5%、会社の上司は10.2%、人事・総務では4.2%にとどまるという結果となりました。
 これらの結果から、会社側が従業員の抱えている介護の負担の実情を知らず、離職の可能性がある状況を把握できていないことが推察されます。人材不足は、そのまま放置していると事業の縮小や倒産のリスクも懸念されます。「現在はそれほど影響がない」と思っていても、事態が深刻化する前に対策を取ることが重要です。

  • ビジネスケアラーの8割が、仕事と介護の両立について会社や人事に不満・要望あり          最も会社や人事に望むこと「両立しやすい環境を整えてほしい」

ビジネスケアラーの6人に1人が仕事との両立に悩み「離職を検討」。プレゼンティーズムとパフォーマンスが低下。精神的・身体的負担を上司に相談しているのはわずか1割のサブ画像4

 さらに、仕事と介護の両立について、お勤めの会社や、その人事に対して感じていることを尋ねたところ、ビジネスケアラーの約8割が仕事と介護の両立について不十分である、あるいは環境を整えてほしいという要望を持っていることが明らかとなりました。
 
 前述の質問で半数以上の方が「仕事と介護の両立ができる環境や制度の整った会社があれば転職を検討する」と回答したことも考えると、ビジネスケアラーの職場に対する不満は大きいですが、裏をかえせば「環境や制度の整った会社であれば働き続けたい」と考えているともいえます。
企業側も、顕在化していないビジネスケアラーの見えない声に耳を傾ける必要があるのではないでしょうか。

  • 会社から介護用品を福利厚生として提供された場合、使用したいビジネスケアラーは9割

ビジネスケアラーの6人に1人が仕事との両立に悩み「離職を検討」。プレゼンティーズムとパフォーマンスが低下。精神的・身体的負担を上司に相談しているのはわずか1割のサブ画像5

 「会社から福利厚生として介護用品が提供されるのであれば、使用したいと思いますか?」という質問に対し、使用したいと答えたビジネスケアラーが約9割という結果になりました。ビジネスケアラーは、会社に対して“仕事と介護を両立したい”という従業員の気持ちに寄り添った何らかのサポートを希望していることが推察されます。

  • ビジネスケアラーへの取組みをサポート

 イノフィスは、「生きている限り自立した生活を実現する」ことをミッションに掲げ、「マッスルスーツ®」シリーズを製造・販売しているベンチャー企業です。より多くの方が生涯にわたって活躍し続け、健やかに暮らせるよう、創業当初の2014年より装着型の作業支援ロボットを開発・上市してきました。
今回イノフィスは、ビジネスケアラーへの取組みを一緒に行っていただけるトライアル企業を募集いたします。
“持続可能な企業経営のための課題抽出”、社内の“ビジネスケアラーの顕在化”、情報共有から育児・介護をはじめとする“ライフイベントと仕事の共生“への取組みなど、「マッスルスーツ®」で培った知見とベンチャー企業ならではの柔軟かつスピーディーにご提案いたします。
お申込みは、以下のお問い合わせフォームよりお願いいたします。
【お問い合わせ】
コールセンター:0120-046-505(平日10:00 ~ 18:00)
お問合せフォーム:https://musclesuit.co.jp/contact/
【マッスルスーツHP】
https://musclesuit.co.jp/

  • アシストスーツの会社がなぜ「ビジネスケアラーの実態調査」を行ったか

 イノフィスは、中腰姿勢を保つ、重い物を持ち上げる、人を抱え上げるといった作業時に腰の負担を軽減する「マッスルスーツ Every」をはじめとする様々なアシストスーツを製造・販売しています。「マッスルスーツ Every」は、電⼒を使用せず、圧縮空気を使用した人工筋肉が最大25.5kgfの補助⼒で動作をパワフルにアシストします。中腰姿勢で作業をすることが多い介護職では、腰痛は“職業病”とも言われており、離職や仕事の質の低下の原因になっています。「マッスルスーツ Every」は、そんな介護職員の方の腰の負担を軽減する目的で開発され、介護現場における職員の退職理由のひとつとされる「腰痛」に真正面から取り組んでまいりました。現在では、全国の介護施設で導入されています。
介護による身体的負担に悩むのは介護職員に限らず、自宅で介護をするビジネスケアラーも同様です。弊社が「マッスルスーツ®」シリーズ各製品の営業活動をする中で、企業の人事の方とお話すると、「ビジネスケアラーの従業員のために何かしたいが、何に悩んでいるかわからない」というお悩みを伺う機会が増えました。そこで、腰の負担を軽減する「マッスルスーツ®」を企業に貸出し、福利厚生として活用する取り組みを考えました。今回はそんなビジネスケアラーの身体的負担の実態を調査する目的で実施しました。
 

  • 調査概要

調査手法:インターネットリサーチ(無記名式)
調査実施日:2023年3月17日(金)~2023年3月22日(水)まで
調査対象者:ビジネスケアラーの30代~60代男女333名
※本調査における調査対象者の条件:
・公務員、経営者・役員、会社員、自営業者、自由業者(パート・アルバイト、学生などを除く)
・65歳以上の高齢家族と同居しており、その介護をしている
・被介護者の要介護度が要介護2以上

  • プレスリリース内画像のダウンロードはこちら

ご記入いただくと、メールアドレス宛に資料ダウンロードのURLが届きます。
https://br-a01.hm-f.jp/index.php?action=R1&a=212&s=2&f=10&fa_code=6e2435e95930c35d8103332cc61d5838

【参考】
・厚生労働省:「仕事と介護の両立支援」~両立に向けての具体的ツール~
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyoukintou/ryouritsu/model.html

・厚生労働省:「中小企業育児・介護休業等推進支援事業」
https://ikuji-kaigo.com/

イノフィスは「生きている限り自立した生活を実現する」をミッションとし、少子超高齢社会における課題先進国の日本から世界へ向けて、より多くの方が生涯にわたって活躍し続けられるよう、今後も人によりそった製品の開発、提供に努めてまいります。

返事を書く

あなたのコメントを入力してください。
ここにあなたの名前を入力してください