責任投資のリーダー、日本における基準明確化を呼びかけ

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国連責任投資原則(PRI)、国連環境計画・金融イニシアティブ(UNEP FI)、Generation Foundationが発表した日本に関する2023年版の報告書「インパクトをもたらす投資に関する法的枠組み(A Legal Framework for Impact)」によると、規制が投資におけるインパクトの追求を許容しているのかどうか、日本の機関投資家にとっては不明瞭であることが明らかに

  • 投資家が投資活動においてサステナビリティ・アウトカムの追求を考慮することが求められる範囲を概説

  • 気候変動を含むサステナビリティ・リスクを軽減する機会の最大化のために、政策の改善が必要なポイントを明らかにし、日本の投資家に対して、サステナビリティ・インパクトをもたらす投資へのアプローチを強化するための5つの提言を明示

【2023年6月19日、東京】 国連責任投資原則(PRI)、国連環境計画・金融イニシアティブ(UNEP FI)およびGeneration Foundationは共同で、本日、インパクトをもたらす投資に関する法的枠組みの日本版ポリシーレポート( https://www.unpri.org/legal-framework-impact-japan )を発行しました。

本報告書では、サステナビリティ・インパクトが財務的に重大である場合に、日本の投資に関する法規制が投資家に対して、サステナビリティ・インパクトの追求をいかに許容し、多くの場合、要求しているかを概説しています。

しかしながら、日本の規制が明確でないこともあり、投資家にとって十分な理解には及んでいません。

日本の投資家にとって、サステナビリティ・インパクトをもたらす投資、すなわち、投資決定やスチュワードシップといった、投資家が自由に使えるツールやリソースを用いて、サステナビリティ・アウトカムを意図的に追求することがどの程度許容・要求されているかについては、不明瞭であるといえます。

日本における、このような明瞭さや理解の欠如は、気候変動ファイナンスを妨げ、投資家の行動を抑制する可能性があります。

ルール・基準・ガイダンスの更新

本報告書では、投資家がサステナビリティ・インパクト目標を追求する際の義務についてよりよく理解できるよう、日本における既存のルール、基準、ガイダンスを更新することを推奨しています。

PRIのCEOであるDavid Atkinは、次のように述べています。「日本では、政策立案者や規制当局と並んで、民間セクターからもサステナブル・ファイナンスに対する強固な支援が行われていますが、多くの投資家は、このような機会を活用するための最善策について、まだ十分な理解に至っていません。日本は、責任投資において、投資家に法的な明確性を与え、政策を施行することで、強いリーダーシップを発揮することができるでしょう。これにより、国が掲げるサステナビリティに関する目標や、アジア全域で必要とされる経済移行を投資家が支援できるよう後押しすることに繋がります。本報告書は、日本の投資家がサステナビリティに関する課題を考慮し、ポジティブなサステナビリティ・インパクトを与え、システム・レベルに潜むリスクの脅威から長期的なリターンを保護できるよう、早急な政策措置のロードマップを提供するものです」

Generation FoundationのディレクターであるGrace Eddyは、次のようにコメントしています。「『インパクトをもたらす投資に関する法的枠組み(A Legal Framework for Impact、以下「LFIレポート」)』での分析によると、多くの投資家は、一般的に、サステナビリティの要素が財務目標に与えるインパクトを考慮し、その結果としてアクションを起こす必要があります。日本の投資家は、サステナブル・ファイナンスのグローバルリーダー且つイノベーターとしての地位を確立していますが、多くの投資家は、インパクトに関する自身の義務の範囲をまだ認識していないようです。本日発行した報告書は、日本の規制当局や政策立案者が、投資家によるシステミックなサステナビリティ・リスクの管理や、より効果的な機会活用を促進し、投資家が行動に移すために必要な法的な明確性とガイダンスを確保する方法について述べています」

本報告書では、日本の規制当局や政策立案者に対して、以下の提言を行っています。

  1. 投資家の義務において、サステナビリティ・インパクト目標の追求を考慮することがどの程度許可、もしくは義務化されているかを明確化

  2. 既存の規則、基準及びガイダンスを更新することにより、投資家による企業のサステナビリティ関連情報へのアクセスを確保

  3. スチュワードシップ・コードの改訂や、その他の支援策を通じて、投資家がいつ、どのようにスチュワードシップ活動を通じて、サステナビリティ・インパクトを追求できるかを明確化

  4. 開示、表示、分類に関する規則やガイダンスを導入することにより、責任投資の主張に関する透明性と市場規律を強化

  5. 関連するガイダンスを導入することにより、インベストメント・マネージャーとその顧客および受益者との間で、サステナビリティ目的および選好に関するより良いコミュニケーションを確保

本報告書は、グローバル市場全体におけるサステナビリティ・インパクトをもたらす投資に関する一連のポリシー報告書の最新版です。

本報告書は、PRI、UNEP FI、Generation Foundationの委託の元で、フレッシュフィールズ・ブルックハウス・デリンガー法律事務所が執筆した2021年版LFIレポート、および日本のPRI署名機関の調査や専門知識に基づいて作成されました。

これには、保険業界や投資業界のビジネスリーダーや、幅広い関連分野の専門知識を有する非政府組織(NGO)や学術機関の代表者らが含まれています。

インパクトをもたらす投資に関する法的枠組みの日本版ポリシーレポート(英語)は、こちら( https://www.unpri.org/legal-framework-impact-japan )からご覧いただけます。また、欧州連合(EU)、オーストラリア、英国、米国、カナダなどの市場に関する過去のLFIレポート( https://www.unpri.org/policy/a-legal-framework-for-impact )は、こちらからご覧いただけます。

PRIについて

責任投資原則(PRI)は、署名機関で構成される国際的なネットワークと協力し、責任投資のための6つの原則を実践しています。PRIの目標は、環境・社会・ガバナンス(ESG)の課題に対する投資への影響を理解し、署名機関がこれらの課題を投資や(株式)所有の意思決定プロセスに取り入れられるよう支援することです。PRIは、署名機関だけでなく、署名機関が活動する金融市場や経済、そして最終的には環境と社会全体の長期的な利益のために行動します。責任ある投資のための6つの原則は、ESG課題を投資に取り入れるための行動例の一覧を提供する、自発的且つ志ある投資原則で、投資家による投資家のためのものです。本原則を実施することで、署名機関は、より持続可能なグローバル金融システムの開発に貢献することができます。詳細はPRIのウェブサイト(英語)( https://www.unpri.org/ )をご覧ください。

Generation Foundationについて

Generation Foundationは、英国で登録されている慈善団体で、2004年に設立されたサステナブル投資会社であるGeneration Investment Management LLPと共に創設されました。同団体のビジョンは、世界の気温上昇が1.5⁰Cを超えない、公平な社会です。この目標達成のために、投資家による気候変動対策、カーボンプライシング、ジェンダー・インクルージョンとエンパワーメント、経済的不平等への対応という4つの優先分野に焦点を当て、積極的な助成金授与と研究プログラムを運営しています。詳細については、www.genfound.org をご覧ください。

UNEP FIについて

国連環境計画・金融イニシアティブ(UNEP FI)は、持続可能な開発のために民間セクターからの資金の動員を目的とした、国連環境計画(UNEP)と世界の金融セクターとのパートナーシップです。UNEP FIは、銀行、保険会社、投資家など400以上のメンバーに加えて、100以上の支援機関と協力し、人々と地球に貢献し、プラスの影響をもたらす金融セクターの構築を支援しています。UNEP FIは、金融機関が次世代の生活を損なうことなく、人々の生活の質を向上させることができるよう促進し、情報提供や支援をすることを目的としており、国連が担う役割のもとで、持続可能な金融を加速させます。www.unepfi.org/

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