~地方創生×持続可能性を具現化した、隈研吾氏設計監修CLT建築物が“里帰り”~
真庭市は、廃棄物として処理されていた製材端材や林地残材を木質バイオマス発電所の燃料として活用するなど、これまで価値の無かった資源を生かし、経済を循環させる「回る経済」の実現に取り組んできました。2018年には地方公共団体による持続可能な開発目標(SDGs)の達成に向けた優れた取り組みを提案する「SDGs未来都市」にも選定されています。この取り組みをさらに発展させるため、人と自然環境における持続可能な開発の探求、地域振興に関する思想や取り組みを表すコミュニティ・ブランドとして、“GREENable(グリーナブル)”を(株)阪急阪神百貨店とともに立ち上げました。
『GREENable HIRUZEN』は、この“GREENable”に込められた想いと持続可能な循環型社会を世界に発信する拠点施設としてオープンします。 ※GREENableは、自然や緑を意味する“GREEN”と、持続可能を意味する“Sustainable”を掛け合わせた造語です。
施設は、“GREENable”の象徴的建築物となるCLTパビリオン「風の葉」、隈研吾氏の建築模型などの資料と現代アートを展示する蒜山ミュージアム、国立公園蒜山の観光情報とサステナブルな暮らし(商品)を提案するビジターセンター・ショップ、自転車文化の発信や蒜山高原の自然や文化資源を生かした体験メニューを提供するサイクリングセンターで構成され、楽しみながら様々な体験をすることができます。
■隈研吾氏が設計監修するCLT建築物が真庭市に“里帰り”
真庭市産のCLT(直交集成板)を使用して2019年11月東京・晴海に建設された隈研吾氏設計監修の『CLT PARK HARUMI』がCLTの魅力と木材の文化・情報発信の役目を終え、このたび蒜山高原に移築され、新たなシンボルとして生まれ変わります。真庭市産のCLTを活用した建築物が「里帰り」するという一連のストーリーは、都市と農山村を結びつける、地方創生を象徴するものです。また、解体しても再生できる木造建築の特性を活かした移築可能な素材・構造システムを実現することで、木材の新たな活用方法、さらには建築物のアップサイクル例として、“持続可能性”を体現する建物となります。
施設の中でも象徴的な建物であるCLTパビリオンの愛称「風の葉」は、2021年2月中旬より世界公募を行い、応募総数437点の中から選ばれ、5月17日に決定しました。
- 『GREENable HIRUZEN』概要
●施設概要
『GREENable HIRUZEN』各施設は、以下の役割のもと構成しています。
①“GREENable”の象徴的建築物:CLTパビリオン「風の葉」
➁“GREENable”の哲学を「学ぶ」:蒜山ミュージアム
③国立公園蒜山の観光情報提供と“GREENable”の価値を「購入し、使う」:ビジターセンター・ショップ
④“GREENable”の考え方を「体感する」:サイクリングセンター
〈場所〉岡山県真庭市蒜山上福田1205-220 岡山県真庭市蒜山高原内
〈交通アクセス〉
車:米子自動車道蒜山ICから約3分
※駐車場は「ヒルゼン高原センター」駐車場をご利用ください
公共(バス):岡山駅から中鉄バス 勝山~岡山線「勝山」(JR中国勝山駅前)で真庭市コミュニティバスに乗り換え、「蒜山高原センター前」下車
●各施設・今後の展開予定
※詳細は『GREENable HIRUZEN』HP(https://greenable-hiruzen.co.jp/)にて順次ご案内します。
【蒜山ミュージアム】
隈研吾展を皮切りに、現代アートを通じてサステナブルな学びを体感する様々な展覧と関連するイベントを実施します。
「隈研吾展『ハコからの解放 ― たし算、ひき算、かけ算、わり算 ―』」
会期:2021年7月15日(木)~10月10日(日)
開館時間:9:00‐17:00(入館は16:45まで)※7月15日(木)は13:00から
休館日:毎週水曜日
入館料:高校生以上1人300円 中学生以下無料
※詳細はHPをご確認ください。
【ビジターセンター・ショップ】
“GREENable”のコンセプトに共感いただける世界中の企業と連携し、商品を販売することで、サステナブルの価値を広げていきます。
▼商品例
<JOHNBULL>
岡山のデニムメーカーJOHNBULLがプロデュースするrebear by Johnbull蒜山限定商品や、GREENableオリジナルTシャツを販売。Tシャツ素材には日本最大級のオーガニックコットン普及プロジェクトに取り組む「ORGABITS(オーガビッツ)」(豊島株式会社)を採用。
<ECOALF>
ヨーロッパ発のサステナブルブランドECOALF(エコアルフ)と協業し、オリジナルメッセージTシャツを販売予定。
その他、蒜山の化粧品製造事業者ユキミドリと、蒜山のはちみつ農園である328農園が開発するオリジナル化粧品や、真庭のクラフトビール醸造所Mimasaka Beer Worksのオリジナルビールの開発など、地元事業者のオリジナル商品も取り扱う予定です。
【サイクリングセンター】
これまで行ってきた環境保全活動や自然保護活動を、“作業”から“楽しめるアクティビティメニュー”として再編し提供していく予定です。また、サイクリングツアーやハイキングはもちろん、これまで真庭観光局が提供してきたアクティビティツアーを、“GREENable”に沿った内容で提案していきます。
▼メニュー例
サイクリングツアー<Road trip -radio->
アメリカの自転車ブランド、トレック社の最新e-bikeで、蒜山にあるサイクリングロードの魅力をスマートフォン上のアプリ「ツール・ド」で聞きながら楽しめます。より快適により深く蒜山の魅力が楽しめるコンテンツです。
【『GREENable HIRUZEN』施設 設計監修・隈研吾氏プロフィール】
隈 研吾(くま・けんご)
1954年生。東京大学大学院建築学専攻修了。1990年隈研吾建築都市設計事務所設立。東京大学教授を経て、現在、東京大学特別教授・名誉教授。
1964年東京オリンピック時に見た丹下健三の代々木屋内競技場に衝撃を受け、幼少期より建築家を目指す。大学では、原広司、内田祥哉に師事し、大学院時代に、アフリカのサハラ砂漠を横断し、集落の調査を行い、集落の美と力にめざめる。コロンビア大学客員研究員を経て、1990年、隈研吾建築都市設計事務所を設立。これまで20か国を超す国々で建築を設計し、(日本建築学会賞、フィンランドより国際木の建築賞、イタリアより国際石の建築賞、他)、国内外で様々な賞を受けている。その土地の環境、文化に溶け込む建築を目指し、ヒューマンスケールのやさしく、やわらかなデザインを提案している。また、コンクリートや鉄に代わる新しい素材の探求を通じて、工業化社会の後の建築のあり方を追求している。
隈 研吾氏コメント
このパビリオンでは、コンクリートで箱をつくるという、20世紀の建築とは真逆を目指しました。自然との一体化、自然との共生をテーマに、“どうやったら自然の中に人が戻ることができるか”を考えました。このような建築のコンセプトは、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で今後、本格化するでしょう。
CLT技術のリーダーともいえる真庭市のCLTを用いたこのパビリオンでは、CLTのパネルとパネルの間にわずかな隙間を設けて、風が通るようにしており、建物の内部にいながら、自然を感じることができます。パネルの間には透明なフィルムを張り、これが膜となって、雨風を防いでくれます。
このファサードは、木の葉をイメージした形状のパネルが、スパイラル状に空に向かって舞い上がるようなイメージでデザインしました。東京の晴海にあった時以上に場所と調和した姿を見せてくれるでしょう。
※CLT…Cross Laminated Timber(クロス・ラミネイティド・ティンバー)の略。
ひき板(ラミナ)を並べた後、繊維方向が直交するように積層接着した木質系材料。断熱性や遮炎性、遮熱性、遮音性に優れている。
また、CLTの活用は林業・木材産業の活性化、さらにはCO2排出量削減や森林保全にもつながり、地方創生と環境の両面からサステナブルな社会の実現に貢献します。(出典:一般社団法人 日本CLT協会 https://clta.jp/ )
- 7月15日限定!『GREENable HIRUZEN』オープニングイベントを開催
オープン当日となる7月15日(木)に、『GREENable HIRUZEN』オープニングイベントを開催します。当日は、当施設を設計監修した建築家・隈氏と、『ソトコト』編集長・指出氏を招き、太田市長とともに、それぞれの観点から施設やサステナブルに関する想いを語るトークセッションを実施します。なお、イベントの模様はYouTubeでもライブ配信予定です。※YouTubeのURLは開催前日にHPにてお知らせします。
●イベント概要
開催日時:2021年7月15日(木)14:00~/現地受付13:00~(予定)
開催場所:『GREENable HIRUZEN』
※ライブ配信は14:00~(予定)
※イベント内容については現時点のものであり、変更する可能性がございます。
今後の詳細は、『GREENable HIRUZEN』HP(https://greenable-hiruzen.co.jp/)にてご確認ください。