● 完全ソフトウェアベースで低コストで導入が可能
● 自動運転やカーシェアリングなど、次世代のモビリティーに求められる自己診断機能
脱輪の予兆をとらえドライバーに警報を発する、スウェーデンのナイラ・ダイナミクス社が開発した車載ソフトウェア、Loose Wheel Indicator (LWI)の累計車両搭載台数が、2021年中に目標としていた1万台に到達しました。早期検出、警報の改良が加えられ、今後も脱輪に関わる交通事故や負傷、自動車の損傷の防止に貢献していきます。
LWIは完全ソフトウェアベースの製品で検出機能の追加に一切のハードウェアセンサーを必要とせず、コストの最小化や、部材の消費による環境への負荷を低減する製品です。既存の車両でもすでに利用が可能な情報を活用して、車輪が緩みだしているのを検出します。車輪のホイールナットの緩みから発生する特有の振動成分を検知し、通常、1~2分以内に警報を知らせるので、脱輪によって危険なドライビング状態に陥るよりも十分に早くその危険を知らせます。
どのようにLWIが動作するか、こちらの動画でご覧いただけます
こちらのURLでも動画がご覧いただけます:https://vimeo.com/269581426
2018年、アウディ社が市場で初めてこのLWIをアウディ社の車両、A6、A7、A8、Q8に搭載したことで、ドライバーの走行安全を大幅に上昇させています。
“最近のLWIの開発はシグナルプロセッシングの改良と、車両への適応を簡略化するツールの開発に注力しています。これによってLWIを搭載する開発時での車両との調整項目が減少し、より簡易的にLWIをお試し頂けるようになりました。”と、LWIの開発主任であるヒネーンウルブシェー・ウッレ氏は言います。
今後、LWIの市場からの需要は大きくなると見込まれます。物流システムは自動運転技術の成熟と相まってサービスとしての性質が強くなり、メンテナンスが必要な車両の予測や早期把握への必要性が高まります。またカーシェアリングサービスに関しては、1台の車両に対するユーザー側の所有者意識が薄れ車両の異常を知らせる音などの把握が遅れ、車両整備不足が発生するリスクが高まり、自動車側が異常を自己診断および検知できる機能がより多く求められます。
LWIの開発をさらに発展させ、NIRA社は今後車輪に関わる総合的なセイフティーソリューション、サスペンションやリム、ベアリングなどの機構の異常を検出する機能の開発を目指しています。
■NIRA Dynamicsについて
2001年創業、スウェーデン・リンシェーピンに本社を置くNIRA Dynamicsは、センサーフュージョン技術を専門とし、ソフトウェアベースの間接式タイヤ空気圧監視システムマーケットリーダーである。車両と道路の相互作用から発生するタイヤと車両のセンサーデータを、最先端の技術で解析し、コスト効率、付加価値の高いサービスを世界の自動車産業に提供しています。
アウディ、フォルクスワーゲン、セアト、スコーダ、ボルボ、フィアット、ルノー、そしてホンダなど、世界をリードする自動車製造企業から選ばれています。