英エネルギー大手のSSEリニューアブルズ、日本の洋上風力発電開発プロジェクト推進に向けて、パシフィコ・エナジーと新会社の共同設立を完了

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洋上風力発電開発の世界最大手の一つで、英国に上場するSSEグループ傘下のSSEリニューアブルズ(本社:スコットランド・パース、マネージング・ディレクター:ジム・スミス)は、日本有数の再生可能エネルギー開発企業であるパシフィコ・エナジー株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:松尾大樹、以下「パシフィコ・エナジー」)と、日本における洋上風力発電開発事業を推進するべく、新会社を共同で設立する契約を締結し、完了しました。SSEパシフィコ株式会社の共同設立を通じて、SSEリニューアブルズは、パシフィコ・エナジーとその関連会社から洋上風力開発事業の80%の所有権を、2億800万米ドルで取得します。その内の3,000万米ドルは複数の条件を前提とする繰延対価となります。本契約は合意に達し、2021年10月29日に発効しました。

今回の取引の主な内容は以下の通りです。

  • 洋上風力発電の新会社となるSSEパシフィコ株式会社を共同で設立し、日本での開発事業を推進する
  • SSEパシフィコ株式会社には、日本を拠点にするパシフィコ・エナジーの従業員を最大20名移籍させ、残りの人材はSSEリニューアブルズの従業員で補完する
    • SSEパシフィコ株式会社のCEOには、SSEリニューアブルズの開発部門ディレクターを務める、マイク・シートン(Mike Seaton)が就任
    • パシフィコ・エナジーの代表取締役社長である松尾大樹氏は、新会社の取締役として今後も事業に関与し、最高執行責任者である唐澤大氏は、新会社の上級副社長兼最高執行責任者に就任し、開発プロジェクトを統括していく
  • 獲得する多数の初期段階の洋上風力発電プロジェクトが日本の海域で点在しており、数ギガワット規模の発電容量に達する可能性がある。これらの初期段階のプロジェクトは、着床式と浮体式の技術を組み合わせることが想定されており、将来のオークションに向けて選定されることを目指している
  • 最も開発が進んでいる2件のプロジェクトでは、送電線が確保されており、開発地域のステークホルダーとの関係構築も進展している

SSEパシフィコ株式会社では、経験豊富なパシフィコ・エナジーのチームが行ってきた膨大な現地での開発準備作業と、SSEの洋上風力発電所の開発・建設・運営に関する専門知識や強固な財政基盤を組み合わせることで、10ギガワットに及ぶ初期段階の開発事業のポートフォリオを発展させていきます。最も開発が進んでいるプロジェクトにおいては、2020年代前半もしくは半ば頃に、入札ラウンドに参加することを目指しています。また新会社は、地域社会や地方自治体との十分かつオープンな協力関係を継続し、洋上風力発電所と地域環境との最適な統合を目指します。

SSEグループは、ネットゼロへの移行に必要な電力インフラやビジネスの開発・構築・運用・投資を行うことで、株主と社会のために持続的に価値を創造するという明確な戦略を掲げています。この戦略は、再生可能エネルギーと規制された電力網という、世界クラスの高度な技術を要する電力資産の開発・建設・調達・資金調達・運用において、共通のスキルと能力を備えた、ネットゼロに沿って大幅に成長する可能性を秘めた事業に焦点を置いています。SSEグループが保有するその他の事業は、核となるこの低炭素事業を補完するものです。

SSEリニューアブルズは、英国およびアイルランドにおいて、7ギガワットという当該地域最大の洋上風力発電のパイプラインを有しています。また、現在、世界で最も多くの洋上風力発電所の建設を主導しています。再生可能エネルギーの出力容量を、2030年までに年間30テラワットアワー(TWh)とする目標を掲げていますが、目標値を上回ることが予想されています。また、2020年代後半には、少なくとも年間1ギガワット規模の新規設備を導入するという明確な抱負を掲げています。

過去1年間で、SSEは、SSEリニューアブルズが有する洋上風力発電の開発・建設・運用のノウハウを、成長機会を備えていると判断する国際市場に向けて提供し始めました。SSE リニューアブルズが、洋上風力発電プロジェクトの開発に積極的に取り組んでいる市場として、スペイン、ポルトガル、デンマーク、ポーランドがあり、新たに日本が加わりました。今回の買収により、2050年までに最大140ギガワットの洋上風力発電が導入されることが予想される東アジア市場において、さらなる開発余地に結び付く可能性があります。

SSEリニューアブルズのマネージング・ディレクターであるジム・スミスは次のように述べています。「SSEリニューアブルズにとって、洋上風力発電の導入に力を入れている日本における今回の契約締結の発表は、非常に喜ばしい次へのステップとなりました。パシフィコ・エナジーは、洋上風力発電の開発・建設・運用に関する当社の専門知識を日本に導入するにあたり、相互補完的な日本市場に関するノウハウ、実績、知見を備える、素晴らしい現地パートナーです。SSEリニューアブルズは、日本の再生可能エネルギーの目標達成に貢献し、今後数十年にわたって日本の洋上風力発電計画の重要な一翼を担いたいと考えています。新設する合弁会社や地域社会、その他のステークホルダーと協力して、洋上風力発電産業で貢献していけることを楽しみにしています。2030年までに再生可能エネルギーの出力容量を3倍にするなど、低炭素電力インフラ戦略を実現するために成長を続けるSSEにとって、非常に重要な時期となります」

パシフィコ・エナジーの代表取締役社長である松尾大樹氏は、次のように述べています。「世界有数の洋上風力発電所建設の経験と公募落札の実績を誇るSSEとのパートナーシップに期待を膨らませています。このパートナーシップによって地元関係者への様々なコミットメントを事業終了まで遂行できる体制が整いました。パシフィコ・エナジーがこれまで培ってきた事業開発ノウハウ、および地方に広がるネットワークを活かし、SSEと共に我が国における洋上風力発電の低コスト化に努め、安心・安全な再生可能エネルギーの普及並びに国民負担の低減に寄与できるよう尽力して参りたいと思います」

今回の取引において、SSEリニューアブルズの財務アドバイザーをロスチャイルド&カンパニーが、法務アドバイザーをフレッシュフィールズブルックハウスデリンガー法律事務所が務めました。また、パシフィコ・エナジーの財務アドバイザーをKPMGが、法務アドバイザーをベーカー&マッケンジー法律事務所が務めました。

SSEリニューアブルズについて
SSEリニューアブルズは、英国およびアイルランドで、再生可能エネルギーの開発・所有・運営を行っているリーディングカンパニーで、約4ギガワットの陸上風力発電、洋上風力発電、水力発電のポートフォリオを有しています。FTSEに上場しているスコティッシュ・アンド・サザン・エナジー社(SSE)の傘下にあり、その戦略は、世界クラスの再生可能エネルギー資産の開発・建設・運用を通じて、ネットゼロの未来への移行を推進することです。

SSEリニューアブルズは、現在、世界で最も多くの洋上風力発電の建設を主導しています。エクイノール(ノルウェー)やエニ(イタリア)との合弁事業として進めている、3.6ギガワットの発電容量を備える世界最大の洋上風力発電所、ドガーバンク風力発電所(北海)に加えて、トタルエナジーズ(フランス)との合弁事業で、1.1ギガワットの発電容量を備えるスコットランド最大の洋上風力発電所、シーグリーン洋上風力発電所(フォース湾)を現在建設中です。また、英国とアイルランド全体で約7ギガワットという、当該地域最大の洋上風力発電開発パイプラインを有しており、そのうち約1.5ギガワットはすでに建設中、約800メガワットは合意済みとなっています。

SSEリニューアブルズは、稼働中の陸上風力発電設備で2ギガワット近くを保有し、さらに1ギガワット超の設備を開発中です。1,459メガワットを誇る水力発電ポートフォリオには、揚水発電の300メガワットや、需要に合わせて調整が可能な750メガワットが含まれています。また、洋上風力発電事業では、合計487メガワットの発電容量を備えるBeatrice(ベアトリス)発電所とGreater Gabbard発電所の2拠点での合弁事業を含み、共にパートナーに代わって、運用しています。

SSEリニューアブルズの親会社であるSSEは、2021年11月に開催されるCOP26国連気候サミットに向けて、英国政府のプリンシパル・パートナーを務めています。 

パシフィコ・エナジー株式会社について
パシフィコ・エナジーは、日本で最大の実績を持つ大型再生可能エネルギー発電事業ディベロッパーの一つです。案件の最初期段階から開発に着手し、その後投資、建設及び資産管理まで一貫して行っています。2012年9月の創業以来、国内で手掛けた太陽光発電事業は15件、合計出力約1,300メガワットになります。

洋上風力発電事業では2017年から開発活動を開始し、約10ギガワットの案件のパイプラインを構築しています。パシフィコ・エナジーは、地球環境保護及び日本のカーボンニュートラルの目標の達成に向け、再生可能エネルギーのグリッドパリティ実現へのチャレンジ、地元に根差し地域と共存できる電源開発、および主力電源化を見据えた長期安定電源としての責任ある運営にコミットしています。
 

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