いきものディスカバリー通信vol.8「深海調査・水中ドローン」

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いつでも、どこかで“何かが起きている”サンシャイン水族館がお届け!水族館&いきものを深堀り!発見がいっぱい!

生き物や水中の状態を調査!! 遠隔操作で人が到達できない海の世界へ!
※本リリースPDFはこちらよりダウンロードいただけます→https://prtimes.jp/a/?f=d20364-20220107-096c3885355251e7fb62bf08c253090e.pdf

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サンシャイン水族館(東京・池袋、館長:丸山克志)では、水圧や水温に阻まれ、人が生身で居続けることができない深海について、水中ドローンを用いて定期的に調査を行っています。

深海の入り口にあたる水深200m付近は、まだまだ知られていないことが多いとされ、サンシャイン水族館では定期的な調査を通じて、深海生物の生きている状態の映像や生息環境など様々な情報を集めることで、生物展示や生物採集に活かすことを目標としています。

本通信では、水中ドローンに関する情報に加え、実際の調査の様子についてご紹介します。
 

  • 知られざる深海の世界

水深が200mを超える深い海では光がほとんど届かず、水深1,000m前後では、太陽の光が海面の約100兆分の1しか届きません。また、水深1,000mより深い海域の水温は2~4℃と冷たく、さらに猛烈な水圧がかかっています。

深海生物の中には、浅い海から海底に沈んできた生き物の死骸や糞などの有機物をエサとして生きるものもいます。以前は、「深海にはエサが少ないので生き物はあまりいない」と考えられてきましたが、今では少なくとも2,500種類以上が生息しているとされています。

普通の生き物ならば生きていけない過酷な環境ですが、深海生物たちは環境に合わせて進化し、厳しい環境下にも適応して暮らしています。

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  • 海の世界では解明されていないことの方が多い…? 謎多き神秘的な世界、深海よりさらに深い超深海

深海生物が棲んでいる深海は、一般的に水深200mより深い海域のことを指しますが、さらに水深6,000mより深くなる海域は「超深海」と呼ばれています。このくらい深い海域になるとほぼ海の底で、海溝という海の最深部へたどり着きます。海溝は海の中ですが、地上の地形と同じように山や谷、急な崖があり、海底から200~400℃の熱水が噴き出す熱水噴出孔も発見されています。

そんな超深海で確認されている生き物はごくわずか。過酷な環境で調査も難しいため、解明されていないことがたくさんあります。

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最も深い海を知る者
世界の海の中で最も深いマリアナ海溝の「チャレンジャー海淵(かいえん)」の深さは1万920mにも及び、人類史上、8人が潜水艇で到達しています(2020年12月現在)。

女性で初めてチャレンジャー海淵に到達した元宇宙飛行士のキャサリン・サリバン氏によれば、“潜水艇にはジャンボジェット機291機分の水圧がかかる”という危険な場所です。この挑戦の途中、水深7,000mで「ユムシの仲間」、水深8,000mで「シンカイクサウオ」などの生き物が発見されています。
(出典元:https://kathysullivanastronaut.blogspot.com/)

  • 水中ドローンとは

過酷な環境での調査が難しかった深海において、人々は“探査機”と呼ばれる水中ロボットを開発し、資源開発を進めています。水中ドローンとは水中を自由に移動し、潜水・潜航しながら調査などができる小型無人機です。

操縦者は船上や陸上から遠隔操作による機体の操縦を行い、リアルタイムで撮影映像の確認やロボットアームで鉱物や生き物の採集調査ができます。サンシャイン水族館では小型で遠隔の操作性に優れた無人探査機「Dive Unit 300」を活用しています。

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水中ドローン「Dive Unit 300」
横幅410mm 高さ375mm 奥行639.5mm 水深300mまで対応。
水中で約4時間活動ができる。

  • サンシャイン水族館の深海調査

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水中ドローンは、海へ投入したあと、船上でコントローラを使い、水中ドローンのカメラが映し出す映像を見ながら遠隔操作します。映像を通して生き物や水中の環境を観察し、どんな生き物が生息しているか、水深何メートルがどれくらいの水温なのか、またプラスチックゴミをはじめとする海洋問題の現状について調査を行います。

水族館スタッフにとっては、自分たちで調査し得る一つ一つが貴重な情報であり、日々様々な視点で海中調査を進めています。

いきものディスカバリー通信vol.8「深海調査・水中ドローン」のサブ画像7_水中ドローンで撮影した画像水中ドローンで撮影した画像

水中ドローンで撮影した映像:https://youtu.be/kP1a0uwiGkw

 

ワクワク感がたまりません!(サンシャイン水族館 水中ドローン担当スタッフ談)
水深200mといえどまだまだ知られていないことばかりですので、調査の際は新たな発見を期待するためか非常にワクワクします。深海生物の本来の姿を観察できるのはこの調査ならではです。ただ、調査の中で海底に沈んだプラスチックゴミを見つけることがあり、私たち人間の出したプラスチックゴミが深海まで及んでいることを実感させられます。調査結果より水深における水温が判明し、深海生物輸送・展示に反映することができました。今後も展示や採集に活かせるように環境・水温データを収集していきます。

 

  • サンシャイン水族館で現在見られる深海生物

サンシャイン水族館に行けば会える、ユニークな特徴をもつ深海生物についてご紹介します。

いきものディスカバリー通信vol.8「深海調査・水中ドローン」のサブ画像8_ゾウギンザメゾウギンザメ

いきものディスカバリー通信vol.8「深海調査・水中ドローン」のサブ画像9_ゾウギンザメの卵ゾウギンザメの卵

サンシャイン水族館で日本初の孵化に成功!
サンシャイン水族館では、ゾウギンザメの飼育展示を2019年3月に開始。2020年1月には、日本初の孵化を確認しました。その後、幼魚への餌づけにも成功して、2020年6月から一般公開をしました。研究が浅く、謎が多い生き物のため、卵や幼魚の飼育に関する情報が少ない中でうれしい出来事です。
ゾウギンザメ  
生息域:オーストラリア南部・ニュージーランド 
生息水深:200m付近
ゾウの鼻のような特徴的な口先で、生き物が発する微弱な電流を感知しエサとなる生き物を見つけています。
ワシントン大学の研究によると、約4億年前から姿を変えておらず「生きた化石」と呼ばれるシーラカンスよりも、ゾウギンザメの進化速度のほうが遅いことが判明!

 

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ヒメカンテンナマコ (1月14日より展示予定)
生息域:太平洋
生息水深:110~700m
寒天質でやわらかく、刺激を受けると体が青白く発光します。

 

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出会えたらラッキー!レア深海生物
メンダコ
生息域:太平洋
生息水深:200m~600m
耳のような鰭(ひれ)をパタパタと動かします。移動するときはふわふわと泳ぐこともあります。

 

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~「ゾクゾク深海生物2022」開催!!~
深海生物に焦点を当てたイベント「ゾクゾク深海生物2022」を2022年1月14日(金)~3月6日(日)の期間に開催します。常設の展示では見られない、この期間限定の深海生物たちに出会えます!

過酷な環境下で生きる深海生物のユニークな特徴と、どのような役割があるのかなどの解説を、生体や標本、模型展示を通してお楽しみいただけます。リリースはこちらよりご覧いただけます。https://bit.ly/31nM2ln

イベント名:ゾクゾク深海生物2022
開催期間:2022年1月14日(金)~3月6日(日)
料金:サンシャイン水族館入場料でお楽しみいただけます。 ※バックヤードツアー、深海トークは有料
URL:https://sunshinecity.jp/file/aquarium/zokuzoku_deep_sea/

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※本リリースPDFはこちらよりダウンロードいただけます→https://prtimes.jp/a/?f=d20364-20220107-096c3885355251e7fb62bf08c253090e.pdf
 

いきものディスカバリー通信 次号もお楽しみに!

※画像はイメージです。 ※金額はすべて税込です。
※状況により、内容・スケジュールが変更になる場合がございます。
※サンシャイン水族館ではお客様に安心してご来館いただくため、新型コロナウイルス感染症拡大防止に努めております。ご来館の際には、ご理解とご協力をお願いいたします。詳しくはサンシャイン水族館  ウェブサイトをご確認ください。https://sunshinecity.jp/aquarium/news/entry-14803.html

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■サンシャイン水族館 概要
所在地:東京都豊島区東池袋3-1 サンシャインシティ ワールドインポートマートビル・屋上
営業時間:10:00~18:00 (秋冬)、9:30~21:00(春夏)※最終入場は終了1時間前 ※変更の場合あり
入場料:大人(高校生以上)2,400円、こども(小・中学生)1,200円、幼児(4才以上)700円
問合せ先:サンシャイン水族館 03-3989-3466 https://sunshinecity.jp
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