【陸養プロジェクト】ヒラメの育成を通して命と向き合う 養殖体験プログラム「命の授業」を開催!

2022年6月8日 【東京都渋谷区立上原小学校】

"陸養"プロジェクト実行委員会は、6月8日、渋谷区立上原小学校にて「命の授業」を実施しました。養殖体験プログラムとして昨年秋から学校でヒラメを育ててきた児童たちは、この9ヵ月の間、漁業や海で起きている問題について、陸養プロジェクトを通して学んできました。
養殖として、食べることを前提に育ててきたヒラメ。今回のイベントでは、いざ食べる段階になったとき、改めてなぜ「食べることが前提」なのか、食べないという選択肢はないのか、議論を交わしました。
このイベントは、次世代へ海を引き継ぐために、海を介して人と人とがつながる“日本財団「海と日本プロジェクト」”の一環です。

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  • イベント概要

・開催概要:渋谷区立上原小学校にてヒラメの育成を通した「命の授業」を実施
・日程:6月7日~6月8日
・開催場所:渋谷区立上原小学校
・参加人数:65名
・協力団体 NPO養殖振興会
 

  • なぜ食べるべきだと思うのか、なぜ食べたくないと思うのか

6年生2クラス合同での議論。まずは育ててきたヒラメを「食べる」「食べない」という観点で意見を出し合いました。自分たちで育ててきたからこそ自分たちで食べる、育ててきた責任がある、命に感謝をする必要がある、といった「食べる」意見。反対に、養殖として育ててきたといえど食べるのは可哀想、努力して育ててきたことが無くなってしまうようで嫌だ、といった「食べない」意見。自分の考えを話す中で、何故そのような考えを持ったのかという点についても確認しあいながら、議論が進みました。
「食べる」とした児童も、食べたいという意味ではなく養殖として育ててきた責任を認識し「食べるべき」という方向性の意見を述べていました。そのような他者の意見の根幹を聞いて、考えが変わる児童もいました。

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  • 命をいただくということに思いを巡らせ、実食

長時間にわたる議論の結果、食べるという結論に。実食する部屋へ場所を移し、プロジェクトを通して児童たちに様々な授業を行ってきた日本養殖振興会代表理事の斉藤氏による、命についての授業が行われました。普段何気なく食べている様々な食べ物は、元々命あるものだということ。そして食糧を十分に食べられない人がいる一方で食糧廃棄が問題にもなっているということ。
そうしてそれぞれが「食べる」ということに対して思いを巡らせた後、迎えた実食の時間。寿司職人でもある斉藤氏によって、ヒラメの命が取られます。手を合わせながらその様子を見つめる児童たち。さばかれたヒラメはしゃぶしゃぶとして、実食を希望する児童に振る舞われます。「いただきます」という言葉にいつも以上の重みを感じながら食べた後は、「いつもより感謝をしながら食べることができた」という声も聞こえ、児童たちの陸上養殖は幕を下ろしました。この後は、7月に予定されている、陸養プロジェクト参加校をオンラインで繋ぐ「交流会」に向けて今まで学んできたことの総まとめに入る予定です。

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<団体概要>

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陸養プロジェクト実行委員会

「陸上養殖」に焦点を当て、児童が小学校で実体験するプロジェクトは、海の魚を子供たちが自ら育て・考え・行動することで生命の大切さを学ぶこと。陸上養殖を通して水産資源の貴重さや、自分たちが住む地域の海の問題についても学び成長していくことを目的に活動しています。 
https://rikuyou.uminohi.jp/

2018年4月 
陸養プロジェクト実行委員会発足 

2018年9月~2019年3月 
青森市、東京渋谷区、富山市、愛媛県西予市、長崎市の5地区6小学校で陸養プロジェクトを実施。5年生児童が、学校内で海水魚を稚魚から成育。期間中、専門家から養殖や魚の生態・成育、地元の海に関する環境問題などを学ぶ。 

2020年 7月~2021年3月 
青森市、東京渋谷区、台東区、千葉県野田市、富山市、愛媛県伊予市、長崎市の6エリア7校に広げて展開。コロナ禍におけるリアル体験プログラムとして、東京都世田谷、台東区、栃木県宇都宮市、静岡県浜松市、埼玉県春日部市の5校でも実施。

2021年9月~ 
東京都渋谷区、足立区、富山県氷見市、長野県佐久穂町の4エリア5校で実施中。

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日本財団「海と日本プロジェクト」

さまざまなかたちで日本人の暮らしを支え、時に心の安らぎやワクワク、ひらめきを与えてくれる海。そんな海で進行している環境の悪化などの現状を、子どもたちをはじめ全国の人が「自分ごと」としてとらえ、海を未来へ引き継ぐアクションの輪を広げていくため、オールジャパンで推進するプロジェクトです。
https://uminohi.jp/

 

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