Polyuse、中部地方初の建設用3Dプリンタの公共土木工事を実施

0
368
Polyuse、中部地方初の建設用3Dプリンタの公共土木工事を実施のメイン画像

建設用3Dプリンタの施工実績全国で拡大中

令和3年度 名四国道豊田地区道路建設工事(発注者:国土交通省中部地方整備局)にて、建設用3Dプリンタを開発する株式会社Polyuse (本社 : 東京都港区、代表取締役 : 岩本 卓也 / 大岡 航 以下Polyuse)は、中部土木株式会社(本社 : 愛知県名古屋市、代表取締役 : 難波 陽一 以下中部土木)と共に、公共工事における土木構造物を3Dプリンタを用いてバイパス工事の基礎となる重力式擁壁を造形施工を実施しました。

 

Polyuse、中部地方初の建設用3Dプリンタの公共土木工事を実施のサブ画像1

 

  • 公共工事の概要

今回、国道155号豊田南バイパスの建設現場である令和3年度名四国道豊田地区道路建設工事において使用する重力式擁壁の5m区間を3Dプリンタ技術を活用して印刷施工を実施致しました。本件は国土交通省中部地方整備局管内における建設用3Dプリンタを用いた初の公共工事であり、国内でこれまで行われた建設用3Dプリンタの土木施工規模として過去最大の大きさとなります。
 

Polyuse、中部地方初の建設用3Dプリンタの公共土木工事を実施のサブ画像2

国道155号豊田南バイパス道路の重要基礎を担う部材を印刷造形し、5m区間に設置
 

Polyuse、中部地方初の建設用3Dプリンタの公共土木工事を実施のサブ画像3

3Dプリンタによる型枠構造物として汎用性と施工性を向上させ、内部には生コンを流し込み充填

また造形施工実施に際して、国土交通省、中部土木、Polysueの三社で3Dプリンタ施工を中心とした技術見学会を開催しました。老朽化が進むインフラ分野のDX推進に向け、建設用3Dプリンタを活用することで、コンクリート構造物の型枠が最小限となり、慢性的な職人不足の課題解決に期待がされており、当日100名近くの関係者が見学会に参加されました。
 

Polyuse、中部地方初の建設用3Dプリンタの公共土木工事を実施のサブ画像4

人手不足解消だけでなく、工期短縮や自由設計に期待がされる建設用3Dプリンタ技術
 

Polyuse、中部地方初の建設用3Dプリンタの公共土木工事を実施のサブ画像5

新型コロナウイルス感染症対策のもと、行政及び建設関係者、教育関係者、メディア関係者まで多くの方が参加
 

  • 本施工による効果

Polyuse、中部地方初の建設用3Dプリンタの公共土木工事を実施のサブ画像6

 

  1. 建設会社との協議を重ね開発した建設用3Dプリンタの実用研修を実施し、職人不足やICT施工への対応
  2. 建設用3Dプリンタを活用することで施工にかかる期間を短縮

■建設用3Dプリンタは3日間のトレーニングで造形を担当できる

従来、職人が建設現場のプロフェッショナルとして十分に対応できるようになるまでに数年単位の教育及び就業期間を要しており、現在からこれからの担い手確保のために思索を行う反面、どうしても育成期間等がかかる状況でした。
ICT化への取り組みの一つとして建設用3Dプリンタ技術は、従来に比べて短期間での若手職人の即戦力化や定着を促す一手として実証を積み上げて参りました。

今回の名四国道豊田地区道路建設工事において、中部土木の若手人材(新入社員)が活躍致しました。建設用3Dプリンタを用いた施工を実施するにあたって、Polyuseは中部土木の若手人材に対して3日間程度の短期トレーニングを実施した上で、公共土木工事で使用可能な重力式擁壁を造形致しました。
Polyuse製の建設用3Dプリンタは短期間での技能習得の向上を図っており、比較的作業における危険性や重労働の回数が少ないことから、「キツい、汚い、危険」と言われる建設業界の課題に対しても各方面の職員から明るい声が多くあがりました。
 

Polyuse、中部地方初の建設用3Dプリンタの公共土木工事を実施のサブ画像7

建設現場に簡易的な造形ヤードを設けて、3Dプリンタを設置し中部土木の若手人材による印刷造形を実施

■これまでの工法で手が届きにくかった部分を3Dプリンタ施工を行うことによる、建設現場の工数削減

重力式擁壁での施工において現場で頻繁に発生する傾斜や角度の違いといった各現場ごとに異なるサイズ変化が、これまでの工法で全てを効率的に網羅することが難しい状況でした。
例えば、プレキャスト工法のメリットである施工工程の短縮や現場作業の簡略化といったメリットを享受しにくい部材の一つが重力式擁壁でした。

建設用3Dプリンタ施工は重力式擁壁に限らず多種多様な構造物において、工程の効率化や現場作業の簡略化といったメリットを実現することが可能であり、全国各地で共同プロジェクトを進めております。

 

  • 実施工を活用した効果検証の重要性

Polyuseでは、これまでもパートナー企業との対話を重視し、パートナー企業が実際行われている施工現場や持っている課題感を共有頂きながら、3Dプリンタの実利用及び効果検証を共に進めてきました。

Polyuse、中部地方初の建設用3Dプリンタの公共土木工事を実施のサブ画像8

公共工事はもちろん建設業界における3Dプリンタ施工の効果や可能性については、現状において不透明な要素も多いのは事実でありますが、今回の実施事例のように中部土木を代表にPolyuseのパートナー企業のと共に、実際の施工を実施することにより効果や運用における最適化及び検証を進めております。
また、今後もPolyuseと中部土木は引き続き国内における建設用3Dプリンタの活用事例を増やし、国土交通省をはじめとする各種発注者への事例の蓄積を実施し、新たな技術である建設用3Dプリンタを普及させ、国内外をリードする立場として邁進してまいります。
 

  • 国土交通省中部地方整備局名四国道事務所 佐藤 副所長コメント

今回、3Dプリンターを使用し中部地方で初めてとなる重力式擁壁の実証施工を行うことができました。
将来的に3Dプリンターを活用することによってコンクリート構造物の生産性向上、工程の短縮が可能になります。また、3Dプリンターを使えば直線の構造物だけでなく曲線の構造物も簡単に造ることが可能になります。まだまだ3Dプリンターは試験施工的な技術であり、今後、効果実証を色々な点で確認していき実用化に向けてインフラ分野におけるDXの推進が図られるよう取り組んで生きたいと考えています。
 

  • パートナー企業と歩むステップ

【中部土木株式会社 難波陽一 代表取締役社長】

人材不足、高齢化の中で災害対策、老朽化対策などの事業を安全且つ効率的に進める為には、今後益々経験と技術の継承に加えてDXとの融合が必要不可欠です。私たちは、土木系に限らず文理、性別、国籍問わず、地域のインフラ整備を志す人材が活躍する多様性のある会社をめざしています。Polyuseとの3Dプリンター施工は新たな挑戦。新人からベテランまでそれぞれの役割で一緒に取り組む事が出来ました。異業種が建設業に興味を持ってもらう事で新たな技術や材料が生まれ、受・発注者もそれを積極的に導入する事で建設業の未来を変えていく広がりは無限に感じます。

【中部土木株式会社 工事本部 竹村邦治 副本部長】

今回の実証施工は様々なお立場の方のご理解を頂き実現することが出来ました。この場をお借りして改めてお礼申し上げます。
様々な課題をPolyuse様と解決し、建設用3Dプリンターを工事現場へ持ち出して重力式擁壁の実証施工を行った結果、建設業のDX化、生産性向上、技能者不足への対応という面で、今後の可能性を大きく感じるものでありました。
これからも工事現場での実証施工にトライしていきたいと考えています。
 

Polyuse、中部地方初の建設用3Dプリンタの公共土木工事を実施のサブ画像9

本施工から見学会実施までにおいて、関係者の理解をもとに入念な協議と準備、何よりこれからの建設業界を支える方々の高い熱量があり、実施することができました
 

  • 建設業界の現状及び3Dプリンタ開発の背景

現在の建設業界は大きく変わろうとしています。
その背景には、2025年日本国際博覧会や社会インフラの老朽化を中心とした建設投資が拡大している状況とは裏腹に深刻な人手不足が存在しています。
建設業界の人手不足は日本経済やインフラ整備に大きく関与する問題であり、もしもの際の災害時の復旧作業や雇用創出の観点においても非常に重要な役割を担っている存在であります。

しかし、国土交通省発表資料によりますと、技能労働者約340万人のうち、今後10年間で約110万人が高齢化等により離職の可能性が高まり、若年者の入職が少ない傾向が算出されています(29歳以下は全体の約1割)

Polyuse、中部地方初の建設用3Dプリンタの公共土木工事を実施のサブ画像10

国土交通省「建設産業の現状と課題」より

更には、日本国民の生活を支える社会インフラの老朽化が急速に進んでいます。
一般的にはインフラの耐用年数は約50年と言われており、1964年の東京オリンピックの頃に整備された首都高速1号線をはじめ、高度成長期以降に整備したインフラが急速に老朽化し、今後20年間で、建設後50年以上経過する施設の割合が加速度的に高くなる見込みと国土交通省より発表されております。
社会インフラの老朽化による事故は近年大きく社会問題視されており、2012年12月の中央自動車道笹子トンネル天井板落下事故を代表に負傷者、最悪の場合は死亡者を出してしまう恐れがあります。
このように適切な補修・修繕が実施されない等により損傷程度が悪化し危険性が増し、供用することができなくなったインフラが各市区町村では深刻化しており、通行止め・通行規制が日常的に発生している例も少なくない状況が報告されています。

Polyuse、中部地方初の建設用3Dプリンタの公共土木工事を実施のサブ画像11

そのような状況等を打破する為に、2016年、国土交通省によって建設業界の生産性向上のために、ICTを取り入れた新しいプロジェクト「アイ・コンストラクション(i-Construction)」が本格始動致しました。
それにより建設会社を中心とした技術開発が行われ、建設業界における様々な工程を効率化する取り組み及び検証が現在進行形で進んでいます。

Polyuseでも、建設の実際現場におけるDX化が業界の生産性向上においては特に重要と考え、ICT建機である建設用3Dプリンタの開発を進めています。
今後も建設現場における人にしかできない生産性や重要度の高い業務へ集中する現場環境を創出し、「きつい・危険・きたない」を代表する3K領域を建設用3Dプリンタやロボット/重機での施工により、人とテクノロジーの共存施工を目指し、国や自治体、建設業界と共に実装を進めて参ります。
 

  •  事業急拡大に伴い、仲間募集中!

Polyuseは、2021年にすごいベンチャー100(出典:週刊東洋経済)、2022年に建築をアップデートするベンチャー100(出典:日経アーキテクチュア)で選出頂いています、モノづくり系のベンチャー企業になります。

▶️3Dプリンタ建築のパイオニア!“日本初”に大使まで見学!

https://youtu.be/WXPXyBADrVw

▶️日本製3Dプリンターでつくった倉庫やサウナ、公衆トイレなど続々!

https://suumo.jp/journal/2022/08/23/189372/

Polyuse、中部地方初の建設用3Dプリンタの公共土木工事を実施のサブ画像12

Polyuseでは現在、エンジニアチームを中心に絶賛仲間を募集しています。
チームは、修士・博士出身者が多く、それぞれが自身の専門領域や責任感、建設業界をより良くする為のモノづくりを重要視する目線を持ち、常に課題を楽しむ最高のチームであることを大切にしています。
Polyuseの開発現場では、多くのパートナー企業様・大学研究機関様等と共同での事業展開を進めつつ、最先端の研究開発分野を社会実装していくことが可能です。
是非、建設業界の課題解決への強い関心と興味、そして各領域での実力・実績を兼ね備えた方と、より業界をアップデート出来るチームを作っていきたいと考えております。テクノロジーによる技術開発を通して、建設業界を変革する。というチャレンジにワクワクした方がいらっしゃれば、下記コーポレートサイトよりお問い合わせ頂ければ幸いです。

https://polyuse.xyz/recruit/

 

  • ■株式会社Polyuseについて

会社名     : 株式会社Polyuse(ポリウス)

Polyuse、中部地方初の建設用3Dプリンタの公共土木工事を実施のサブ画像13

所在地     : 東京都港区2-2-15 2F(開発拠点は神奈川県鎌倉市)
代表取締役  : 岩本卓也 / 大岡航
事業内容    : 建設用3Dプリンタを中心とした建設業界特化型のハードウェア、ソフトウェア、サービスの企画設計、製造、販売
設立       : 2019年6月
URL        :  https://polyuse.xyz/ 
公式Twitter  : https://twitter.com/polyuse

【本件に関するお問合せ先】
株式会社Polyuse 広報部
URL   :  https://polyuse.xyz/
メール  : [email protected]

返事を書く

あなたのコメントを入力してください。
ここにあなたの名前を入力してください