『フューチャーメイカー:世界を変える素晴らしい50人』の日本語版を公開

タイムアウトグローバルが50人を選出

ORIGINAL Inc.(所在地:東京都渋谷区、代表取締役 伏谷博之)の運営するタイムアウト東京は、『フューチャーメイカー:世界を変える素晴らしい50人』の日本語版を公開しました。本記事は、世界328都市に広がるタイムアウトのグローバルネットワークを活用し、編集者やライターにアンケート調査を実施。さらに読者からも情報を募った上で、大胆なアイデアとプロジェクトで、未来をつくることに貢献しているパイオニアやイノベーターを選出しました。

「フューチャーメイカー」に選ばれたのは、アーティスト、活動家、建築家のほか、映画監督、市長、ビジネスマン、さらに、環境保護活動家、音楽家、都市計画者などもいます。世代や国境、ジェンダーを越えた非常に多様な人たちです。そして、その誰もが驚くべきユニークなビジョンを持ち、活動を行っています。

彼らの取り組みを知ることで、世界が今、どのような未来に向かっているのかをしっかりと感じることができるでしょう。ぜひ、50人のフューチャーメイカーの活動に注目をしてみてください。

世代や国境、ジェンダーを越え活動するフューチャーメイカーたち(一部をご紹介)

『フューチャーメイカー:世界を変える素晴らしい50人』の日本語版を公開のサブ画像1_courtesy of A Avó Veio Trabalharcourtesy of A Avó Veio Trabalhar

年齢をスーパーパワーとして生かすポルトガルのコミュニティーオーガナイザーたち
スサナ・アントニオ、アンジェロ・カンポタ

リスボンにあるA Avó Veio Trabalharは、「おばあちゃんが働きに来た」という意味を持つクリエーティブハブ。ここでは70人以上の「おばあちゃん」が、職人技を生かした製品を販売したり、工芸品のワークショップを開催したりしている。スサナ・アントニオとアンジェロ・カンポタによって設立された施設と同名の団体は、「古いものは美しい」という理念に基づいて、メンバーの孤独感や放棄感を取り除くことを目的に活動している。
最大の功績:最近の資金調達キャンペーンが成功し、あと12カ月間は今の拠点にとどまることができるということ。
世界をどのように変えているのか:高齢化が進む都市で、何十人もの老婦人を孤立と孤独から救っている。(Vera Moura)

 

『フューチャーメイカー:世界を変える素晴らしい50人』の日本語版を公開のサブ画像2_courtesy of Bimini Bon Boulashcourtesy of Bimini Bon Boulash

ノンバイナリーのアイコンとなったイギリスのドラァグクイーン
ビミニ・ボン・ブーラシュ

ディバインとルポールがアートフォームとしてのドラァグの過去と現在を表しているとすれば、その未来は、ビミニ・ボン・ブーラッシュに見ることができるだろう。ブーラッシュは、テレビ番組『RuPaul’s Drag Race UK』の第2シーズンで、第2位に輝いたイギリス人ドラァグクイーンだ。
ビーガンで、ノンバイナリーで、労働者階級出身。率直で、最高にアーティスティックであるブーラッシは、王座奪取は果たせなかった。しかし、毎週変わる象徴的な姿とともに、ジェンダー不適合、メンタルヘルス、コロナ禍におけるパフォーマーの経済などの話題を、木曜夜のテレビに提供した。
最大の功績:全国ネットのテレビで、おばあちゃんでも理解できるような方法で、ノンバイナリーについて話し合ったこと。そして、番組内で『スナッチゲーム』に勝ったこと。
世界をどのように変えているのか:ジェンダーへの固定概念に当てはまらない世界中の子どもたちに、道を切り開いている。(James Manning)
 

『フューチャーメイカー:世界を変える素晴らしい50人』の日本語版を公開のサブ画像3_courtesy of Othón Nolasco and Damian Diazcourtesy of Othón Nolasco and Damian Diaz

非正規雇用の飲食店従業員を養うロサンゼルスの活動家たち 
 オトン・ノラスコ、ダミアン・ディアス

パンデミックが発生した当初、ロサンゼルスのバー経営者であるオトン・ノラスコとダミアン・ディアスは、非正規雇用のレストラン従業員が特に不利な立場にあることに気付いた。レストラン業界を支える正真正銘の労働者たちが、失業中でも失業手当を受け取ることができず、食事をとるのも難しいという状況に陥っていたのだ。
2人はすぐに協力者を募り、困っている家族へ食事を提供することを目的とした非営利団体、No Us Without You LAを設立。最初に彼らが目標としたのは30の家族を支えることだったが、1年がたった今では、1600以上の家族へ食料品を届けている。苦労している人々をサポートする仕組みを作ったというのが、彼らの素晴らしいところといえるだろう。
最大の功績:No Us Without Youは、United Way of Los Angelesと協力して、家賃を必要としている人々に5万ドル(約546万)の救済措置を提供。それに加え、家庭教師や就職支援プログラムを提供し、家族の自立を支援した。
世界をどのように変えているのか:ノラスコ、ディアス、そして彼らのチームは、レストラン業界の知られざるヒーローに敬意を表しつつ、家族が尊厳と誇りを保てるよう支援している。(Morgan Olsen)
 

『フューチャーメイカー:世界を変える素晴らしい50人』の日本語版を公開のサブ画像4_Photograph Annabel StaffPhotograph Annabel Staff

フードシェアリングのスーパーヒーローたち
テッサ・クラーク、サーシャ・セレスティアル・ワン

冷蔵庫の奥にある余った食品を捨てる時の罪悪感は、誰もが感じること。こういったフードロス問題を解決しようと、ロンドン在住のクラークとワンは、余った食品をリストアップしてシェアできる、フードシェアリングプラットフォームOLIOを開発した。このアプリケーションは、近所の間で余った食品を無料でシェアできるという画期的なもの。以来、毎週何千もの食品が無駄に捨てられずに済んでいる。
最大の功績:わずか6年の間にOLIOは59カ国、350万人以上のユーザーを獲得。これまで、約1800万食の料理が廃棄されず、シェアされてきた。
世界をどのように変えているのか:彼らの先進的な活動は、単に地域に食料を供給するためのものではない。世界的な食品廃棄物の削減に取り組むことは、フードロスによって発生するCO2の排出を防ぐことにつながっているのだ。(Morgan Olsen)

『フューチャーメイカー:世界を変える素晴らしい50人』の日本語版を公開のサブ画像5_courtesy of Andreas Noecourtesy of Andreas Noe

ポルトガルの海岸を清掃する「ごみの旅人」 アンドレアス・ノエ
アンドレアス・ノエ

ドイツ人環境活動家のアンドレアス・ノエは、「楽しく、ポジティブに」世界を変えることを自らの使命としている。2020年、分子生物学コンサルタントとしてのキャリアを捨てた彼は、500マイル(約805キロメートル)以上もあるポルトガルの海岸線を全て歩き、ビーチを清掃。
プラスチックや廃棄物が生態系に与える影響を警告した。ノエはこの2カ月間にも及ぶこの「プラスチック・ハイク」で、ほかの環境保護活動家や企業、組織との対話も行った。
最大の功績:ノエは旅の途中で1.6トンのプラスチックを回収。活動家、慈善団体、サーフスクールなど、出会ったのは100グループ以上。ごみに対する関心を高め、ウクレレを使ってポジティブな気持ちを広めた。
世界をどのように変えているのか:楽しい動画と想像力に富んだアイデアで、プラスチック汚染を議題にし続けている。2021年に公開となる映画と巡回展にも期待したい。(Vera Moura)

 

『フューチャーメイカー:世界を変える素晴らしい50人』の日本語版を公開のサブ画像6_The shuugitThe shuugit

肥満体系の人たちへの偏見と闘うパリのDJ兼モデル
レスリー・バルバラ・バッチ

パリのLGBTQ+パーティでおなじみのDJ、レスリー・バルバラ・バッチ(Leslie Barbara Butch)は、同性愛者、太った人、障害者、移民など、社会的に差別を受けている人でも分け隔てなく参加できるイベントの普及を呼びかけている。彼女は、グロソフォビア(ファットフォビア)に対抗するため、下着姿でポーズをとり、自分が受けた侮辱の言葉を体に書き込むなどのパフォーマンスを実施。『Télérama』誌の一面を飾るなどシーンから注目を浴びる存在となったが、バッチが映った写真はInstagramとFacebookで検閲の処置を取られてしまう。 これを受け、SNSにおける、写真上の肌の見える割合を計算するアルゴリズムが本質的に偏っていて、太った人を差別してしまうことを事実上証明することに至った。
最大の功績:ジャン・ポール・ゴルチエの2021年のモデル、そしてミューズになった。
世界をどのように変えているのか:すべての人に安全で快適なパーティ空間を提供する。(Houssine Bouchama)

『フューチャーメイカー:世界を変える素晴らしい50人』の日本語版を公開のサブ画像7_courtesy of Manjusha P. Kulkarni, Cynthia Choi and Russell Jeungcourtesy of Manjusha P. Kulkarni, Cynthia Choi and Russell Jeung

アジア系アメリカ人のコミュニティに再び安全をもたらす3人組
Manjusha P. Kulkarni、シンシア・チョイ、ラッセル・ジョン
アジア系アメリカ人を標的としたヘイトクライムが相次ぎ、米国中が悲しみに包まれた2021年。サンフランシスコのベイエリアを拠点とする、Asian Pacific Planning and Policy Councilのマニューシャ・クルカルニと、Chinese for Affirmative Actionのシンシア・チョイ、サンフランシスコ州立大学の教授であるラッセル・ヨングの3人は、Stop AAPI Hateという通報センターを設立した。日々、アジア・太平洋諸島をバックグラウンドに持つ人々に対するヘイトや暴力、ハラスメント、差別、敬遠、いじめに日々対応している。
最大の功績:Stop AAPI Hateを11カ国語で立ち上げた。
世界をどのように変えているのか:アジア系アメリカ人や太平洋諸島の人々に対する人種差別が続いていることを明らかにすること。(Sarah Medina)

 

関連記事

コメントする

Please enter your comment!
Please enter your name here

最新記事