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ニンジンのつぶつぶが、紙素材に豊かな表情と質感を加えます
創業132年 老舗紙屋の株式会社ペーパル(本社:奈良県奈良市、代表取締役社長:矢田武博)は、捨てられていたニンジンの皮をアップサイクルしてできた紙素材「vegi-kami にんじん」(ベジカミ ニンジン)の開発に成功しました。「vegi-kami にんじん」は食品のサブスクリプションサービスを提供するオイシックス・ラ・大地株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長 :高島 宏平)と協業開発し、2022年9月に開発に成功しました。
●「vegi-kami にんじん」の概要
・捨てられるはずだったニンジンの皮をアップサイクルした紙素材
・印刷や加工性に優れているため、様々な用途で使用可能
・経済産業省令和3年度「地域新成長産業創出促進事業費補助金」実証事業の取り組みを活用して開発
●ニンジンのつぶつぶが特徴
紙の表面をじっくりと見ると、ほのかなオレンジ色のつぶつぶが。ニンジンが豊かな表情と質感を生み出します。白色ベースの紙なので、印刷の発色や加工性も良く、様々な用途で活用いただけます。また、紙の売上の1%をフードバンクに寄付することで、フードロス削減の活動を応援します。
●パッケージ・リーフレットとして活用
まずは、オイシックス・ラ・大地株式会社の「かけて楽しい サクサクりんご皮のクリームタルト」のパッケージやリーフレットに使用されます。今後も素材を広く普及させることで、フードロス削減への貢献を目指します。
●廃棄素材の活用が求められています
現在、日本全体で年間646万トンにもおよぶフードロスが問題となっていますが、この数量には加工や流通段階で食用として使えなくなってしまうものや非可食部分は含まれておらず、多くがコストをかけて廃棄されています。このような素材を様々な方法で活用することで、社会的な損失を減らすことが現在求められています。
●質感も印刷加工性も兼ね備えた品質を追求
オイシックス・ラ・大地株式会社のアップサイクル商品を開発・販売するフードロス解決型ブランド「Upcycle by Oisix」から、製造工程で発生する端材などの活用方法の1つとして紙素材に活用できないかという打診があり、開発プロジェクトが発足。ミールキット「Kit Oisix」製造工程で発生するニンジンの皮の提供や品質のヒアリングを行うなど協業開発を進めました。開発にあたり、ニンジンの質感を残した上で、印刷・加工性も兼ね備えた素材を目指しました。配合方法を変えて幾度となく試作を行い、2022年9月、1年かけて開発に成功。経済産業省令和3年度「地域新成長産業創出促進事業費補助金」実証事業の取り組みを活用し、近畿経済産業局様や特定非営利活動法人資源リサイクルシステムセンター様と連携し、開発しました。
●丁寧に製造しています
回収したニンジンの皮を細かく砕き、パルプと均一に混ぜ合わせます。品質を追求するために、手作業で混ぜ合わせながら不純物やかたまりなどを丁寧に取り除きます。混ぜ合わせた原料を均一に広げ、シートを作ります。フェルトに乗せてプレスロールにはさみ、水分を絞ったあとに乾燥。最後に表面をなめらかにすることで、「vegi-kami にんじん」が出来上がります。
●株式会社ペーパルについて
1890年(明治23年)に奈良で創業して以来、132年に渡り紙の販売を通じて紙文化を支えています。2008年にFSC®/COCを取得して以来、「紙」という循環可能な素材を社会に提供し、脱プラスチックを視野に入れた素材の啓発活動を行うことで、SDGsへの取り組みを推進しています。
SDGsの取り組みをさらに拡大させるため、2020年4月より、フードロス問題の解決を目指すための素材「フードロスペーパー」の開発を行うプロジェクトを行っており、これまで「kome-kami」や「クラフトビールペーパー」、「momi-kami コートボール紙」を開発。本プロジェクトでは「vegi-kami にんじん」を開発しました。アップサイクル量の可視化するようなシステムも導入し、品質の良い素材を作るだけでなく使っていただける素材作りを目指しています。
【会社概要】
会社名 :株式会社ペーパル
所在地 :奈良県奈良市池田町76-7
代表者 :矢田 武博
資本金 :3,000万円
創業 :1890年(明治23年)
事業内容 :紙や紙製品の開発・販売
WEBサイト : http://www.pepal.co.jp/
【URL】 製品サイト :https://foodlosspaper.com/vegi-kami