・インファームは2030年までにグローイングセンターを20カ国に100カ所設置する計画で、市場での存在感を大幅に高めてまいります。さらに、あらゆる種類の野菜・果物の栽培も計画しています
・創業以来、インファームはモジュール(組み立て)技術を活用し、ヨーロッパ、北米、アジアの11カ国50を超える都市で事業を展開してまいりました。現在は世界各国の大手小売り30社に農作物を提供する17以上のグローイングセンターと1400を超える店内設置ファームを稼働しています
・これにより、インファームの評価額は10億ドルを大幅に上回りました
オランダ・アムステルダム(2021年12月16日) – 都市型農業を行う急成長中のグローバル企業インファームは本日、シリーズD資金調達ラウンドで2億ドルの資金を獲得したことを発表いたします。この投資ラウンドには既存および新規の投資家が参加しており、当社の中東諸国への事業展開を支援するカタール投資庁(QIA)、Partners in Equity、Hanaco、Atomico、Lightrock、Bonnierが含まれます。
今回の獲得資金は、米国、カナダ、日本およびヨーロッパにおける垂直農場の増設、そしてアジア太平洋と中東地域の新規市場への参入(店内設置型ファーミングユニットとインファーム・グローイングセンターの両方を展開)に充てられます。2023年にはカタールで初となるグローイングセンターを開設し、ハーブ類やレタス類、葉物野菜のほか、トマト、イチゴなどの果実類を栽培・収穫する計画です。
インファーム共同創業者兼CEOエレズ・ガロンスカのコメント
「現在の食糧システムは立ち行かなくなっています。垂直農法とインファームのシステムは、増加する人口に食糧を行き渡らせるために、地球にはるかにやさしく、気候の不安定さやサプライチェーンの混乱に際しても格段に強い抵抗力と柔軟性を持ち合わせる、サステナブルなソリューションを提供します。
気候の変化に強いわれわれの垂直農場を結び付けた世界規模のファーミング・ネットワークの構築、これがインファームの核を成すミッションですから、今回の資金調達ラウンドの発表に興奮しています。この戦略的投資はわれわれのスピーディーなグローバル展開を後押しし、ヨーロッパ、アジア、北米そして中東の消費者のすぐ近くで、これまで以上にさまざまな作物を栽培していくための研究開発を強化してくれるものです。これでまた一歩、近い将来に、あらゆる種類の野菜・果物を栽培し、質の高い商品を手頃な価格で皆さんにお届けするというわれわれの目標に近づくことになります」
QIAのCEOマンスール・ビン・イブラヒム・アル・マフムード閣下のコメント
「QIAは投資全体を通してポジティブな影響をもたらすことを目指しています。われわれは今後も世界中で先頭に立つイノベーターたちへの財務面での関与を続け、気候変動やテクノロジーといったテーマに積極的に取り組んでいきます。
責任ある長期の投資を行う機関としてのQIAの目的は、未来の世代のために価値を生み出すことにあります。われわれは垂直農法が世界各地の食糧安全保障を高める方途になるとみています。インファームと協力するのが楽しみです。インファームはカタール第一号となるグローイングセンターを設置し、それはカタールの食糧安全保障と経済的多様化に役立つはずです」
インファーム・グローイングセンターとは、インファームの旗艦生産ユニットです。複数の組み立て式垂直農場がつながり合うこの施設は、約1万平方メートル規模の生産能力を有し、スーパーマーケットに素早く配送するための物流センターも備えています。さらにインファームには、買い物客のショッピング体験をよりダイナミックなものにする、食料品店向けの店内設置型ファーミングユニットもあります。これらはともに、高い鮮度を保ちつつ、消費資源を土壌ベースの農業と比べてはるかに少なく抑えるために開発されたものです。現在インファームが栽培している75種を超えるハーブ類やレタス類、葉物野菜のほか、来年は商品ラインナップにキノコ類やミニトマト、豆類やイチゴなどの40品種を新たに追加する予定です。
インファームのクラウド接続型ファーミング・ネットワークは短期での増設が可能で、同業他社と比べて先行投資が少なく済みます。リビングルームほどの空間(約40平方メートル)を年間50万株以上の作物(サッカー場1つ分の農地で生産される作物量に相当)を生産する都市型垂直農場へと変貌させる当社独自の組み立て式技術製品は、わずか6週間での設置が可能です。この新しい農業モデルは、土壌ベースの農業と比べて生産能率が400倍にのぼり、化学農薬もいっさい使用しません。その上、使用する土地は95%少なく、使用する水の量も、水と栄養素を再循環させ、作物が蒸発した水分を利用するので95%少なくできます。作物はまさに都市の中で栽培されるため、消費者の食卓にのぼるまでのフードマイル(輸送距離)も90%少なく済みます。
各ファームには高精度センサーが多数備え付けられており、これまでに世界中のファームのネットワークから収集したデータは600億点を超えます。各ファームのシステムは収集した情報を当社のクラウド「ファーム・ブレイン」にアップロードします。そしてインファームの作物科学チームが人工知能と当社の特許技術を活用し、その数値の分析を行って各ユニット内の栽培環境を常時アップデートし、生産量や品質、栄養価といった各種要素を向上させています。直近3年間でこの「ファーム・ブレイン」によって実現した分析により、当社は生産コストを80%削減、生産量を250%以上増加させました。
本取引に関して、Goldman Sachs Bank Europe SEとUBSがインファームの財務顧問を務めました。
インファームについて
インファームは2013年、ベルリンにて、オスナット・ミカエリとエレズ・ガロンスカ、ガイ・ガロンスカの兄弟により設立されました。自給自足をしたい、より良いものを食べたいという情熱を持った創業者たちは、化学農薬を使わず、輸送距離をかけずに、自分たちで野菜やハーブを育て、その風味と栄養を楽しんでいました。自ら育てた野菜の良さを皆で分かち合いたいというビジョンのもと、創業者たちは組み立て式のスマート農業システムを開発しました。これにより、都市全体にファームを分散させ、都市部の空いているスペースで新鮮な野菜を栽培し、市場の需要を満たすことができると考えました。現在、インファームは最先端の研究開発、特許技術、そして優れた学際的チームによって世界的な農業ネットワークを構築しており、都市の食料自給率を高め、食の安全性、品質、環境負荷を大幅に改善しています。
全世界で社員1000名を超える多国籍チームであるインファームは、紀ノ国屋、サミット、Aldi Süd、Amazon Fresh、Auchan、Casino、E.Leclerc、Edeka、Empire Company Ltd(Safeway、Sobeys、ThriftyFoods)、Farmdrop、Intermarché、Irma、Kaufland、Kroger、Marks & Spencer、Metro、Migros、Selfridges、Slgros、Whole Foods Market など、30 社以上の大手食品小売企業と提携しています。当社は、カナダ、チェコ、デンマーク、フランス、ドイツ、日本、ルクセンブルグ、オランダ、英国、米国、スイスで展開しており、店内およびインファーム・グローイングセンターに1400以上の農場を設置、6000万リットル以上の水と6万平方メートル以上の土地を節減してまいりました。詳細については、当社ウェブサイト(www.infarm.com)をご覧ください。