「ロレアル―ユネスコ女性科学賞」2022年 素晴らしい女性科学者を称える特別なセレモニー 15人の国際的な受賞者と30人の「国際新人賞」受賞者を表彰

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「ロレアル―ユネスコ女性科学賞」2022年 素晴らしい女性科学者を称える特別なセレモニー 15人の国際的な受賞者と30人の「国際新人賞」受賞者を表彰 のメイン画像

日本からは「ロレアル-ユネスコ女性科学賞」2021年受賞者として東京大学の野崎 京子教授が出席

世界最大の仏化粧品会社ロレアルグループ(本社:パリ)は、パリ現地時間・2022年6月2日に、ロレアル財団とユネスコが、6月23日、パリのユネスコ本部で開催される特別な「ロレアル―ユネスコ女性科学賞」授賞式にて、世界35カ国以上、すべての地域から集まった45人の優れた女性科学者を称える旨を発表しました。

この3年間は、科学にとって最近の歴史の中で最も困難な時期でした。女性たちは最前線に立ち、気候変動、病気、新型コロナウイルス感染症拡大のような危機に関連する比類なき問題に取り組んできました。現在起こっている喫緊の事態に取り組むために女性科学者たちは不可欠であるにも関わらず、その存在は十分に可視化されておらず、その数も少ないままに留まっています。

パリ、優れた女性科学者のための国際的な結集地

6月20日からの1週間、パリは世界のトップ科学者たちの結集地点となります。6月23日にユネスコ本部で行われる授賞式に向け、科学アカデミーでの特別講演や交流イベントなど、優れた女性科学者たちが交流するための様々な機会が設けられます。
過去3回の受賞者が一堂に会するこの特別なセレモニーでは、近年の優れた科学的業績を称え15人の科学者へ「ロレアル―ユネスコ女性科学賞」が授与されるとともに、2020年と2022年に選ばれた30人の若手女性科学者に対し「ロレアル―ユネスコ女性科学賞 国際新人賞」が授与されます。 ※ 日本からは、「ロレアル―ユネスコ女性科学賞」2021年受賞者として東京大学工学系研究科化学生命工学専攻 教授 野崎 京子先生が参加

女性研究者の地位低下への対応

ユネスコの最近のデータでは、科学的キャリアを追求する女性の数はわずかに増加していますが、世界的に見ると研究職に占める女性の割合は、3人に1人に留まっています(1)。研究の世界では、ガラスの天井が続いており、ヨーロッパでは上級研究職の14%(2)だけが女性で、過去10年間のノーベル科学賞のうち女性が受賞したのはわずか8%です。 

ロレアルの最高社会責任者(CCRO)であり、ロレアル財団のCEOであるアレクサンドラ・パルトは次の通り述べています。「新型コロナウイルス感染症拡大のなか、私たちは、私たちの健康や社会、地球の存続に関わる危機に対応するために、女性科学者がいかに不可欠であるかを目の当たりにしてきました。しかし、いまだに彼女たちは目に見えない存在であり、キャリアや研究期間中にしばしば大きな障害に直面しています。このような状況は、制度的な障壁、アンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)、自己検閲、そして差別による結果です。これは女性にとっての問題であるだけでなく、科学研究の問題でもあるのです。適切であるためには、研究は包摂的でなければならず、すべての才能を動員する必要があるのです」

ユネスコの自然科学担当事務局長補佐であるシャミラ・ネイル・ベドゥエルは、次のように述べています。「今年表彰される国際新人賞受賞者には、エネルギー貯蔵システム、水素燃料システム、量子光学(エネルギー効率の高いコンピューターへの道を開く研究分野)など、私たちの未来を脱炭素化するために不可欠な分野で優れた才能を発揮している女性たちがたくさんいます。しかし、同様の戦略的な分野で研究に従事する女性科学者の多くは、相応の評価を得られていないのが現状です。ユネスコは、科学を担当する国連機関として、ジェンダー平等を優先事項としており、こうした不平等に終止符を打つために行動していきます。ロレアルとユネスコの『ロレアル―ユネスコ女性科学賞』におけるパートナーシップは、この分野におけるポジティブな行動の適切な例であり、女性科学者に発言力と可視性を与え、今世紀の課題に取り組む彼女たちの功績を称えるものです」

1998 年の創設以来、 「ロレアル―ユネスコ女性科学賞」は、 3,900 人の若い女性に栄誉を表彰し、支援してきました。また彼女たちが相応しいの評価を受けることができるよう、ロビー活動を続けています。これらの優秀な女性研究者は、それぞれの科学分野に大きく貢献し、私たちがグローバル社会で直面する最も差し迫った緊急の課題に対する効果的な解決策を見出すことに貢献しています。今年のセレモニーは、彼女たちのライフワークと、彼女たちが乗り越えてきた多くの障害に対する賞賛の場となることでしょう。

今年の「ロレアルーユネスコ女性科学賞」受賞者および「ロレアルーユネスコ女性科学賞 国際新人賞」受賞者 45名の受賞者に関するより詳細の情報はこちら(英語のみ): https://www.fondationloreal.com/media/6761/download

[1]ユネスコ「サイエンスレポート」: “the Race Against Time for Smarter Development”(2021年ユネスコ発行)
[2]欧州委員会「She figures 2018」報告書

ロレアル財団について https://www.fondationloreal.com/

ロレアル財団は、科学研究、インクルーシブ ビューティー、気候変動対策という 3 つの主要分野を中心に、女性が自らの未来を 切り開き、社会に変化をもたらすための支援とエンパワーメントを行っています。
1998年以来、「ロレアル―ユネスコ 女性科学賞」は、より多くの女性科学者が昇進への障壁を乗り越え、すべての人々のために貢献できるように現代の大きな課題の解決に、取り組んでいます。24年間にわたり、110カ国以上から集まった3,900人以上の女性研究者を支援し、優れた研究を表彰し、若い世代の女性たちが科学をキャリアとして選択できるよう働きかけています。
ロレアル財団は、美が生活の再建に貢献することを確信し、美や健康についての施術を無料で提供することを通して、脆弱な立場に追いやられた女性がセルフエスティーム(自尊心)を高められるよう助けるとともに、美容の職業訓練を受け、職を得ることができるよう支援しています。プログラム開始以来、毎年平均で約 16,000 人が無料の施術を受け、18,000 人以上がプロフェッショナルな美容研修に参加しています。
最後に、女性はジェンダーに基づく根強い差別と不平等の影響を受けており、気候変動によってさらに悪化しています。女性たち危機の最前線にいるにもかかわらず、気候変動に関する意思決定において、依然として十分な存在感を示していません。ロレアル財団の「The Women and Climate」プログラムは、特に、緊急の気候危機に対応する気候変動対策プロジェクトを展開する女性を支援し、ジェンダーに配慮した気候変動対策の重要性に対する認識を高めています。

ユネスコについて https://en.unesco.org/

ユネスコ(国際連合教育科学文化機関)は、諸国民の教育、科学及び文化の協力と交流を通じた国際平和と人類の共通の 福祉の促進を目的とした国際連合の専門機関です。本部はフランス・パリにあり、2021年10月現在の加盟国数は193カ国です。科学においては、技術、イノベーションや教育の発展に注力しているほか、海洋資源や生物多様性の保全、科学的知識に基づく気候変動や自然災害への対応策に取り組んでいます。とりわけ研究において、あらゆる人種差別の撤廃と男女共同参画を推進しています。

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