2022年9月、ブシュロンは新作カプセルコレクション「ジャック ドゥ ブシュロン ウルティム」を発表いたします。過去2年間にわたりメゾンを代表するアイコニックなジュエリーにユニークな素材や最新のテクノロジーを駆使したカプセルコレクション。2020年の「Quatre Jean(キャトル ジーン)」、2021年の「Holographique(ホログラフィック)」に続き、今年2022年は「ジャック ドゥ ブシュロン」コレクションを昇華させた「Jack de Boucheron Ultime(ジャック ドゥ ブシュロン ウルティム)」が誕生しました。
新作カプセルコレクションは、「ジャック ドゥ ブシュロン」のデザインに、産業廃棄物から再生されたリサイクル素材であるCofalit(コファリット)を用いました。コファリットは、限定的な使用用途しかなく、地中に埋められることが多い廃棄物をガラス固形化し、不活性化させたリサイクル素材です。
今回コファリットを用いて誕生した3つのデザインは、クレール・ショワンヌのビジョンである「プレシャス(価値ある、貴重なもの)の概念を再定義する」ことを体現したクリエイションです。このコレクションで初めてジュエリー業界に登場した荒々しい漆黒の素材は、有用性を失った資源でも、価値あるものへと再生する可能性があることを物語っています。
ブシュロンは、初となる社会環境負荷レポート「プレシャス フォー ザ フューチャー」において表明した持続可能な開発へのコミットメントを遵守していくことを宣言します。
目次
1. 革新的なカプセルコレクション「ジャック ドゥ ブシュロン ウルティム」
ブシュロンのクリエイティブディレクターのクレール・ショワンヌは、ハイジュエリーにおける既成概念を覆すような素材を導入することで、「価値」や「貴重性」の定義を問い続け、その答えを追求しています。「コファリットは、多くの人々がプレシャス(貴重)であると考えるものの対極にある素材です。私は、ライフサイクルの終着点にある産業廃棄物を再生したこの物質の、先進性と審美性に心惹かれました。この素材がこれ以上の有用性を生まない再生素材の最終形であるという事実にインスピレーションを得たのです。このカプセルコレクションを通じて、永久に持続する価値あるものに生まれ変わらせたいと思いました」とクレール・ショワンヌは述べます。
このビジョンに基づき、研究開発部門はブシュロンの職人たちと共同でこのコレクション制作に取り組み、ジュエリー制作の伝統を根本から見直し、アイコンコレクションである「ジャック ドゥ ブシュロン」にコファリットを採用しました。「このコレクションは、シンプルで現代的なデザインのため、新しい素材を使った実験的な試みに適しています。コファリットは鉱物のような外見をしているので、宝石のようにカットして磨けば、オリジナルのジュエリーデザインと同様にファセットカットのように仕上げることができます」とクレール・ショワンヌは述べます。
極めて貴重な素材と再生素材を組み合わせたジュエリー制作は、まさにメゾンの革新性を表しています。最先端技術を駆使し、意義深く、クリエイティビティを備えた作品は、ジュエリーの限界を押し広げるものです。
2.再生素材の最終形であるコファリット
特定の産業廃棄物にガラス固形化するというプロセスを適用して作られたコファリットは、リサイクルの観点からは最終段階に達した素材であると考えられています。従来、高速道路の盛土に使用されていたこの素材は不活性で無害な素材へと生まれ変わりました。加工を行うフランスの「Inertam(イナータム社)」だけでなく、ブシュロンのイノベーションユニットとケリングのテスト&イノベーションラボ(TIL)により、その安全性が保証されています。クリエイティブかつ技術的な挑戦であったコファリットは何ヶ月にも及ぶ試行錯誤を経て開発され、「ジャック ドゥ ブシュロン ウルティム」が誕生しました。この開発には、160年以上にわたりメゾンに受け継がれる卓越した技術と革新性という価値が反映されています。
3.ブシュロンのコミットメント「プレシャス フォー ザ フューチャー」
2022年、ブシュロンは社会環境負荷レポート「プレシャス フォー ザ フューチャー」を発表しました。企業としての社会的責任、環境に配慮したジュエリー制作とその影響についてまとめた初となるレポートは、持続可能な開発目標に対するブシュロンのコミットメントです。この度のカプセルコレクション「ジャック ドゥ ブシュロン ウルティム」は、その価値観と再生可能な資源を活用するという理想的な形を反映したものとなりました。
「ブシュロンは、この社会環境負荷レポートを通じて、今後の取り組みにおけるコミットメントを明確に示します。私たちは、ジュエリーの原材料となる貴金属と宝石をうみだす地球環境の保護に貢献し、この事業に関わる全ての従業員、コミュニティに対しての労働環境を守るという責任があります。このレポートは、メゾンに受け継がれるファミリースピリットのフィロソフィーを示す機会にもなりました。ブシュロンでは長年にわたり、創造の自由を提起し、美しさや貴重なものの意味を問いかけるなど、従来とは異なるアプローチでジュエリー制作を行ってきました。この「ジャック ドゥ ブシュロン ウルティム」は、まさにメゾンに継承されてきた精神を体現しています。伝統的なハイジュエリーの分野において、このような好奇心や柔軟性、そして革新的な発想は、持続可能な未来に向けてブランドが進化していくために不可欠なエッセンスであると確信しています」とブシュロンのCEOであるエレーヌ・プリ=デュケンは述べています。
メゾンの透明性と責任を示すために、このレポートはブシュロンが取り組んできた数年間にわたる活動を証明し、「望ましい未来を共に創る」という明確な使命を表明しています。この企業目標は、原材料の調達、オペレーション、包括性と多様性へのコミットメントの3つに分けられています。例えば、ブシュロンは、95%のリサイクル素材を含む、100%責任あるゴールドの調達を達成しています。そして、メゾンは協業するサプライチェーンの発展を支援するため、あえて小規模鉱山からのゴールドの調達を続け、労働環境や労働条件を尊重し、(ゴールドの5%はフェアマインドとフェアトレードの認証を取得)、2025年までに主要原材料のトレーサビリティを100%にする高い目標を掲げました。また、ブシュロン教育基金やケリング貴金属基金を通じて、マダガスカルの教育や仏領ギアナの森林再生プロジェクトなど、地域社会への支援を表明しています。ブシュロンは、2030年までに100%グリーン電力へ移行し、使い捨てプラスチックを使用しないことを目標に掲げています。
「ジャック ドゥ ブシュロン ウルティム」いずれも非売品です。
ブシュロン公式サイト
https://www.boucheron.com/
〈ブシュロンについて〉
1858年にフレデリック・ブシュロンが創業し、自由な精神とスタイルが継承されてきたブシュロン。パリ・ヴァンドーム広場にブティックを構えた最初のハイジュエラーとして、ブシュロンはジュエリーとウォッチの分野において、メゾンの地位を確立してきました。自由で大胆な精神を持つブシュロンの唯一無二のスタイルは、世代を超えて受け継がれ、160年以上の歴史を誇ります。現在、ブシュロンは世界各国で73以上のブティックを展開し、国際的なラグジュアリーグループであるケリングに属しています 。